戦闘シーンを書けないなら書かなきゃいいじゃない
主人公たちの強さをアピールせねばならぬ。
主人公たちが持っている能力を読み手に知らしめねばならぬ。
スキルは、魔法は、剣技は、こんな能力を持っていますよと 『データ』 で書くのか? …… ダメダメ。
VRゲームプレイ日記じゃないんだ。
※筆者注: あの分野の小説は割と好きだったりしますが筆者があれを書くのは不可能です。あの分野の小説を書ける方を尊敬しております。
そうだ! 戦闘シーンを書けばいいんだ!
まずは魔物の狩りで、剣と魔法を駆使して魔物を一捻りするシーンを書こう。
書いてみた。
読み返してみた。
読むに堪えない。
繰り出す技、繰り出される技、それに対する応手、主人公たちが何を感じ、何を選択し、何を味方に伝え、どのように敵を倒すか。
その描写を読者が分かるように、読みたい書き物として、書く才は筆者にはなかった。
筆者は 「主人公たちが持っている能力」 は分かっているし 「どの能力をどのように連携させて魔物を倒すのか」 についてもはっきりしたイメージはあるのだ。
どうやって倒すかが分からないのではない。
それを描写できないだけだ。
筆者にはMMORPGをプレイした経験がある。おおよそ20年前に。
獲物を倒す時にパーティリーダーが 「こうこうこうやって倒すからね。それぞれの役割はこうこうだよ」 と説明していたことを思い出す。
現実の軍隊 (小隊や分隊などの小規模な部隊) だって同じはずだ。
戦闘行動に移る前に、小隊長の少尉や分隊長の軍曹が、隊員それぞれに 「お前らそれぞれの役割は何々だ」 と命令をしているはずだ。
これだ!
指揮官が倒し方の説明と役割を指示している描写をすればよいのだ。
実際の戦闘はそれ通りに行われるのだから、それを準えた膨大な文字数と行数を使う必要はない。
戦闘を行っている間、そこで幾ばくかの時間が経過したことを示すように中点がいくつかの1行でいいだろう。
書き手にも読み手にも優しいエコ仕様だ。
戦闘シーンの描写は不要だ。
※筆者注: 拙作 「姫様が行く!」 の第2話で、ヘビだけは少しだけ書いてみましたが。