第4話 スキル取得と加護
目の前には、恐ろしい数のスキル名が出ていた。スキル取得にも色々と決まりがあるようで、分かったのは次のことだ。
・各スキルには、スキルレベルがⅠ~Ⅹまであり、スキルレベルが上がるほど取得に使用するSPが増える
・取得できるスキルはいくつでもよい
・スキルレベルを上げるほど性能が上がる
・同じスキルレベルの相手には、守りより攻めのほうが効果が上(例えば、同じスキルレベルの〖鑑定〗と〖隠蔽〗では、〖隠蔽〗で隠されたものも〖鑑定〗でわかる)
・普通、生涯で獲得できるSPは限りがあるので、自分の職業に向いたものを取得し、スキルレベルを上げる
・スキル取得に使用するSPは主に、Ⅰ→1SP Ⅱ→5SP Ⅲ→10SP Ⅳ→20SP Ⅴ→30SP Ⅵ→40SP Ⅶ→50SP Ⅷ→100SP Ⅸ→200SP Ⅹ→300SP の前後50SP
・獲得できるSPはLvごとに決まっており、Lv2~10→1SP Lv11~20→2SP・・・Lv81~90→9SP Lv91~100→10SP で、Lv101~110→1SPと繰り返される ちなみに、Lvの上限は999である
・スキルは、スキル名を発することで発動する
などだ。
昨日、自分のステータス確認をしてみると、驚くほどに上がっていた。2年でこんなにも上がるとは...
[名前] ライル・ベリル・アドルクス
[年齢] 2
[種族] 人
[職業・称号] アドルクス公爵家長男
[Lv] 335
[HP] 84865
[MP] 133457
[ATK] 116349
[DEF] 69920
[SP] 8645
[加護] 最高神ゼウスの進化型加護Ⅳ
[魔法適性]
火属性 水属性 風属性 土属性 光属性 闇属性 木属性 雷属性 氷属性 無属性
神聖魔法 回復魔法 時空魔法 呪術魔法 精霊魔法
[固有スキル]
獲得経験値超増加 獲得SP超増加 限界突破 絶対防御
上がりすぎていて、少し気持ち悪い気もするが、これは急いで隠さないといけないと思い、スキルを探し始めた。だって、2歳でこんなステータスだとばれたら軍事利用とかされそうだし...それだけならまだしも、家族や使用人の皆に怖がられたり、避けられたりするのは嫌だからな。
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スキルはたくさんあったが、今欲しいと思ったのは次の5つだ。
〖鑑定〗〖隠蔽〗〖威圧〗〖恐怖耐性〗〖言語理解〗
とりあえずこの5つを取得し、全てスキルレベルをⅩまで上げた。各スキルの詳細は、〖鑑定Ⅹ〗でわかった。
〖鑑定Ⅹ〗ありとあらゆるものの情報が事細かにわかるスキル 〖隠蔽〗を無効化する 必要SP 1007
〖隠蔽Ⅹ〗本来の自己ステータス等の対象物を隠し、虚偽の情報を相手に掴ませることができるスキル 〖鑑定Ⅸ〗以下と、本物の【投影石】以外なら、隠蔽可能 必要SP 928
〖威圧Ⅹ〗自分よりステータスの低い相手の動きを止めることができるスキル 〖恐怖耐性〗を無効化する 必要SP 736
〖恐怖耐性Ⅹ〗相手やスキルでの恐怖心をかき消すことがのできるスキル スキルレベルⅨ以下の相手に恐怖心などを植え付けるスキルを無効化する 必要SP 895
〖言語理解Ⅹ〗ありとあらゆる国、時代、種族の言語を操る(読む・書く・聞き取る・話す)ことができるスキル 必要SP 1290
やっぱりスキルレベルをⅩまで上げたら、かなりSP消費したなぁ。SPは、4856消費し、残り3789になっていた。まさか、半分以上消費するとは...とにかく、スキルの詳細は分かったから、前から気になっていた<加護>について調べよう。普通の<加護>なら、前世のライトノベルとかで見たことあったけど、進化型って何だろう。あと、前見た時はⅠだったのに、さっき見たときはⅣになってたんだよなぁ。
「〖鑑定Ⅹ〗」
見られるかどうかは分からなかったが、とりあえず発動してみると、鑑定できた。
<最高神ゼウスの進化型加護Ⅳ>
通常の加護と違い、その名の通り進化する<加護> 加護レベルがⅠ~Ⅹまであり、Lv100で加護レベルⅡに進化し、Lv900で加護レベルⅩに進化する 現在の加護レベルはⅣ 加護レベルが上がるほど、その効力が上がる 加護レベルⅤになると[種族]が「半人」となり、加護レベルⅩで「半神」となる 「半人」になると、寿命が1000年ほどになる 「半神」になると、不老不死となり、【神力】が使えるようになる ただし、不死身ではない 他にも、加護レベルが上がると、テレパシーを送れるようになったり、五感が鋭くなるなど、色々な効果が現れる 加護レベルⅣでの効果は、
<罠感知> 常時発動 仕掛けられた罠を感知することができる
<毒耐性(弱)> 常時発動 弱い毒を無効化する
<気配察知> 任意発動 設定可能
<魔法強化> 任意発動 設定可能
なるほど...僕は今、Lv335だから加護レベルがⅣなわけか。「半人」と「半神」って、何が違うんだろう。半分人間と、半分神様って名前変えただけなんじゃ...まぁ、いっか。それよりも、不老不死かぁ。一度なってみたかったんだよな。でも、不老ということは子供のころに「半神」になると、そのまま成長もしなくなるんじゃ...そんなこともないのかなぁ。自分がなることなんて、考えてもみなかったから、よくわからないな。
<罠感知>や、<毒耐性>、<気配察知>はありがたいな。<毒耐性>は(弱)だけど、多分これから進化していくんだろう。<魔法強化>は使いどころを間違えると、大惨事になりかねないな。設定可能ということは...僕は、<気配察知>と<魔法強化>の設定を、
<気配察知>
敵意のある相手を常時察知し、敵意のないものは「気配察知」と発することで発動
<魔法強化>
「魔法強化」と発することで発動
とした。魔法の威力の調整は今でも難しいのに、これ以上難しくされては困る。でも、いざという時のためにどのくらい強化されるのかは確認しておきたいな。そのうち試すことにしよう。それよりも、せっかく〖隠蔽Ⅹ〗スキルを取得したんだから、ステータスを隠蔽しておこう。
そうして僕は、自己ステータスを書き換えた。僕の表向きのステータスはこうだ。
[名前] ライル・ベリル・アドルクス
[年齢] 2
[種族] 人
[職業・称号] アドルクス公爵家長男
[Lv] 2
[HP] 65
[MP] 69
[ATK] 67
[DEF] 66
[SP] 1
[魔法適性]
火属性 闇属性
時空魔法
スキルを取得すると、ステータスの中に表示されるようなので、スキルは、まだ取得していないことにした。2歳でLv2がどうなのかは知らないが、このくらいなら、まぁいいだろう。スキルを隠蔽したところで、僕を呼ぶユーリの声がした。多分、夕食ができたのだろう。僕は、ダイニングルームのほうへ向かった。
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食卓には、父母がすでに席に着いていて、その傍らにエリスを抱えたパーシャ、ユーリ、カールそれと、メイドのケイン、執事のイエイツ、クルードがいた。食卓は、花の装飾が施された長方形のテーブルで、席は、お誕生日席(上座)に当主の父が、向かって左に母が、右に僕が座ることになっている。我が家では、できるだけ家族全員で食事することになっているが、父母が仕事でいないときのほうが多い。
今日は、妹が生まれた日ということで、父もいて、食事も豪華だった。僕が座ると、食事が運ばれてきた。今日の夕食は、前世のフランスパンのような、ヘリアセパンなどのパンと、シチュー、マリネ、パイ、その他いろいろとデザートにタルトだった。公爵家だからといって、毎日豪華な食事が出るというわけでもない。他の家は知らないが、うちの家は他のことに多くお金を回しているみたいだ。
食後に、家の皆にステータスを聞いてみた。貴族の家には、ステータスを確認する【投影石】があるので、皆自分達のステータスをある程度知っているようだ。〖隠蔽Ⅹ〗を取得したときに、【投影石】って書いてあって「これなんだろう」と思っていたので、謎が解けてよかった。本物の【投影石】は、王宮の宝物殿にあるようで、貴族家は爵位が高いほど模造品の中でも、質の良いものが設置されているそうだ。うちは公爵家なので、模造品の中では一番質の良いものが設置してあるそうで、〖隠蔽Ⅷ〗までなら無効化できるそうだ。普通、貴族の家では3歳になるとステータスを確認するそうなので、その前に〖隠蔽Ⅹ〗取得できてよかった。
皆のステータスは、
次回は皆のステータス紹介です。