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第3話 魔法とお家事情

第1話では家政婦としていましたが、メイドに変更しました。

 ボタンを押すと、視界に新たに長方形のボタンが現れた。


・ステータス

・アイテム

・スキル

・その他


この4つが出てきた。そこで、確認のため、いろいろ試してみた。


・・・・・


試してみてわかったことは、


・ステータス

 ・自分の能力が細かくわかる

 

・アイテム

 ・【アイテムボックス】に入れたものの確認、出し入れができる

 (この世界では人間は全員【アイテムボックス】という収納スキルを持っていて、その大きさはMPに比例する)

  

・スキル

 ・スキルの取得、スキル内容の確認ができる

 ・スキルにはそれぞれレベルがあり、Ⅰ~Ⅹまである

 ・スキルレベルを上げるには、そのスキルレベルに合ったSP(スキルポイント)が必要である


ということだ。ちなみに、現在の僕の詳細なステータスは、


[名前]    ライル・ベリル・アドルクス

[年齢]    0

[種族]    人

[職業・称号] アドルクス公爵家長男

[Lv]    1

[HP]    53

[MP]    58

[ATK]   55

[DEF]   54 

[SP]    0

[加護]    最高神ゼウスの()()()加護Ⅰ

[魔法適性]

 火属性 水属性 風属性 土属性 光属性 闇属性 木属性 雷属性 氷属性 無属性 

 神聖魔法 回復魔法 時空魔法 呪術魔法 精霊魔法 

固有(ユニーク)スキル]

 獲得経験値超増加 獲得SP超増加 限界突破 絶対防御


だった。Lv1でこのステータスはどうなのか。と思いながらも、おかしな点に気が付いた。確かゼウス様は魔法の種類と詠唱は前々世と変わらないと言っていたはず...

 だとしたらなぜ、[魔法適正]の部分に前々世の時の全属性・全種類の魔法が表記されているんだ?それに、<加護>ってなんだ?っていうか、最高神って何?ゼウス様は神々のトップだったのか。はぁー、色々驚きすぎて疲れた。もういいや。これも全部、ゼウス様のお気持ちなのだろう。ありがたく受け取っておこう。眠たいな。まだ生まれて間もないからか。少し寝よう...


・・・・・

・・・・・

・・・・・


 さて、確かゼウス様は幼い時の方が、ステータスが上がりやすいと言っていたっけ。起きてすぐだけど、またすぐ眠くなるだろうし、少し魔法の練習をするか。前々世と同じって言ってたから、このMPだとこれくらいかな。僕は、前々世の知識を利用し、今のMPでできる魔法を使ってみることにした。

 寝ころんだままなので、右手を上に上げ、手のひらを上に向け魔力を集中させ、


 「初段魔法〘(ファイア)〙」


そう口にすると、小さな炎が現れた。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆     ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 






 魔法には、幾つかの種類がある。

普通、人は火・水・風・土の内、1人1属性の適性を持って生まれる。しかし、稀に2属性や3属性、それ以上の適性を持って生まれてくることがある。この場合、2属性目や3属性目が火・水・風・土以外の、光・闇・木・雷・氷・無の適性の場合がある。つまり、後者の6属性は前者の4属性より、少し珍しい(レア)ということだ。そして、属性魔法以外の魔法として、神聖魔法・回復魔法・時空魔法・呪術魔法・精霊魔法がある。この5つの魔法はどの属性にも属さず、それぞれ適性者は非常に少ない。

 神聖魔法・・・神に認められた者、もしくは神官などの神に仕える職業に就き、高位に位置するものが継承する魔法。アンデッドなどに強大な威力を発揮する。

 回復魔法・・・光属性の〘治癒(ヒーリング)〙などで回復できない重症な場合でも、完治することのできる魔法。

 時空魔法・・・時空間を移動したりできる魔法。ただし、時を移動しても、干渉することはできない。適性を持つ者の【アイテムボックス】内は時間が停止している。

 呪術魔法・・・尋問や契約時に使用される魔法。相手に呪いをかける。

 精霊魔法・・・MPを消費すること無く、使用できる魔法。また、精霊と契約する必要があり、精霊が協力しない場合は、魔法が発動しない。契約した精霊の強さが発動時の威力に比例する。

これが、魔法の種類だ。


 そして、全ての魔法には、等級と段位が存在する。

等級は、初級・中級・上級・特級・超級・世界級がある。

段位は、等級の中にあり、初級が初段~八段、中級が九段~十六段、上級が十七段~二十四段、特級が二十五段~二十七段、超級が二十八段~三十段と分類される。

 しかし、前々世では、人族が使える限界は中級の十六段魔法までという伝承があったので、それ以上の上級は、エルフ族などの魔法に長けた種族、特級、超級に至っては、伝説上の存在だった。さらに、超級のさらに上の世界級は、極一部の物好きしか知らないようなものだった。なので、等級というものは知っている人自体少なかった。知っていても、中級までしか使えない人族は、覚える必要がないからだ。それに、四段魔法からは、詠唱をする必要があり、それを覚えるのも大変だ。前々世では、五段魔法以上使えるのは当たり前で、九段魔法以上使えれば、実力者として認められた。現に僕は、村長が十三段魔法を使っているのを見て、村の人たちが「おぉー」と言っているのを聞いたことがあった。多分、僕が住んでいた村では、村長が一番の魔法の使い手だったのだろう。他の人達が使う魔法は十段までしか見たことがなかった。そんな中でも僕が使うことのできた魔法は、初級の三段までだったので、落ちこぼれで、お荷物扱いされていたのだ。それでも、僕はたとえ使えなくても、覚えられるものは覚えることにしていた。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆     ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






 今使ったのは、初級の中でも一番簡単な初段魔法〘(ファイア)〙だ。前々世でも使えた魔法だ。前々世での適性は火属性だけで、大したものも使えなかったため、3属性持ちだった弟にはいつも馬鹿にされていた。今の魔法を使ったことで、MPは58→53になっていた。

 その後、初段魔法である〘(ウォータ)〙〘(ウィンド)〙〘(ソイル)〙〘(ライト)〙〘(ダーク)〙〘(リーフ)〙〘(サンダ)〙〘(アイス)〙を続けて出してみた。目の前には、炎、水、土、光の玉、闇の玉、葉、小さな稲妻、氷が浮いており、風が吹いていた。

 わぁー...僕は、感動していた。前々世では、火属性しか使えず、魔力量も少なかった。しかし、今はどうだ。無属性以外の全属性の初段魔法を放ったにも拘らず、MPは()()()()残っている.....ん、なんでまだまだ残っているんだ?結構なMPを消費したはず...あっ、そうか。ステータスが上がったんだな。それにしても上がるの早すぎるだろ...まぁ、上がることで困ることはないだろう。そんなことを考えていると、(タンタンタンタン・・・)足音が近づいていることに気が付いた。

 ガチャッという音がして、部屋の扉が開いた。僕は慌てて、放っていた魔法を消した。


 「ライル様、お目覚めになりましたか。」


入ってきたのは、昨日紹介されたメイド長のパーシャだった。何とかばれずに済んだみたいだな。

 ちょっと、お腹空いたな。でもまだ、生まれて間もないので、言葉にすることはできないし、喃語も発せられない。自分の気持ちを伝えるには泣くしかないのだ。ん、じゃぁなぜ、魔法を発動できたかって?そんなの知らないよ。なぜかできたんだもん。でも、魔法が発動できるのなら、経験値を得るため、毎日ばれないように頑張ろう。体もしっかり動かさないとな。


・・・・・

・・・・・

・・・・・


 それから2年が経った頃、我が家に新しい家族が増えた。妹が生まれたのだ。妹の名前はエリス・べリアン・アドルクス。その頃には、完璧にしゃべることができるようになっていた僕も、名前決めを手伝った。生後半年でかなりしゃべることができていたのは、ゼウス様の加護のおかげだと僕は思っている。生まれてすぐに目も見えていたからな。おかげで、家の人の全員の顔がしっかりわかっていた。さすがに、初めて喋ったのが早すぎたときは皆、驚いていたが、せっかくしゃべれるのに、隠すつもりはない。その頃に、使用人達の自己紹介があった。さすがにまだこの世界の文字は読むことも書くこともできない。が、言葉はわかる。そのおかげで、家のことがだんだんわかってきた。


 ・我が家はエイヴィスティン王国の公爵家

 ・父は毎日公務に追われていて、あまり家にいない

 ・母も他の公爵夫人などの貴族とのお茶会で家にあまりいない

 ・生まれた日に紹介された人の他にも多くの使用人がいる

 ・妹が生まれたことにより、今まで僕のお世話をしてくれていたパーシャは妹へ付く

 ・僕には、新たに紹介されたメイドのユーリが付く


 などが、使用人の会話で分かったことだ。毎日努力したのと、ゼウス様のおかげで、ステータスも驚くほど上がっていた。

 今日は家の人は皆、妹のことで精一杯だからこの部屋には来ないだろう。前々からしようと思っていた、スキルを取得しよう。僕は、スキルのボタンを押した。すると...

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