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第2話

「うう…」



煉華が目を覚めた場所は保健室だった。



「ここは…、そうだ!いたたた…」


「あら?目が覚めたのね」



やってきたのは保健室の先生だった。



「せ…先生…」


「放課後に何をしてるのか見てみたら、貴方達が倒れてたのよ」



煉華が辺りを見渡したが愛理の姿が見えなかった。



「お、お姉ちゃんは!?」


「愛理さんは火傷が酷かったから、病院で入院する事になったわ。 命には別条は無いのだけれど、最低でも2週間の入院が必要よ」


「そうですか…」


「ええ…それじゃ私は帰りますよ。 鍵はここに置いておきますので、帰るときは鍵を閉めて職員室まで持って行ってね」


「はーい」



そう言うと先生は保健室を出た。今居るのは、煉華のみ。静寂が煉華を包み込んだ。



「はあ…、一体何が起こったんだろう…」


《それは余が説明しよう》


「え?」



煉華が前を向くと其処に居たのは、煉華と瓜二つの少女が居た。



「わあああ!?」


《いきなりその様な反応とは、余は悲しいぞ》


「だ、誰ですか!?」


《なんだ?お主、余の事は分からぬのか?》


「い、いきなり現れて分からないよ…」


《そうか、なら改めて自己紹介としようではないか》



そう言うと少女はベッドから降りて煉華の隣のイスに座った。



《余の名はイリネス。『イリネス・バレッタ』と言う者だ》


「イリネス…?」



煉華は何かを思い出そうとした。



「イリネス…。 ああ!」


《ん?なんだ? そんなに驚いて》


「イリネスって、夢に出てきた私と瓜二つの!」



煉華は夢でのことを思い出した。



《お主、余のことを知っているのか》


「夢に出てきて、いきなりドーンッて凄い何かが起こって弓矢が刺さって…」


《其処まで分かっているのか。 なら話が早い》



イリネスはふうっと息をして煉華に言い出した。



《余とお主が瓜二つなのは分かっておるな?》


「う、うん…」


《そしてお主の夢は余のことであると分かっておるな》


「うん…」


《そうか…。 それならば、答えはただ一つだ》











お主は











余の











生まれ変わりだ。











「………え?」












「ええ~~~~~!!!???」


《何だ?煩いぞ。 静かにしなければいけないだろう》


「い…いきなり何を言うんですか! ボクが貴方の生まれ変わりって…!」


《此ほどにも似ている者は居まい。 そして、お主が余の夢を見ていたのなら、その可能性は高い》



煉華は下を向いてしまう。いきなりの事で付いていけずに、ましてや生まれ変わりと言う言葉に何も分からなくなった。



《お主は余にも負けぬ強い心が有るだろう…。 お主は混乱しているが、これは本当の事だ。 受け入れてくれないか?》


「受け入れるって…どうすれば…」


《ただ前を向けばいい…余は何時もそうしていた》


「貴方も…?」



イリネスは強く頷く。




《そうだ。 そして、こうお主に会うことが出来たのも『運命』なのだ》


「運命…」



煉華は正直に言うと不安で一杯だった。しかしイリネスの言葉によって、徐々に前を向いて歩けると確信を持てる。そう思ったのだ。



《そう言えば、お主の名前を教えてくれないか?》


「あっ!忘れてた!」



煉華はイリネスに向けて笑顔で答える。



「ボクは宮薙煉華!宜しくね!」



その笑顔でイリネスはフッと笑う。



《うむ、宜しく頼むよ。レンカ》



こうして2人は運命的な出会いを果たす。そしてこれから起こる運命にまだ気付くことは無かった。
















???



ここは煉華達との距離が離れているとある場所



「ギャアアアアアア!!!」


「イリネス・バレッタを仕留め損なっただと!?」



煉華を襲った男が苦しんでいた。どうやら煉華を仕留め損なったせいで罰を受けているのだ。



「イリネス・バレッタは俺の夢を粉々にされたのだ! 貴様はそれを分からないのか!」


「申し訳ありません! 今度こそは必ず息の根を止めます!」


「必ずだぞ!今度こそイリネス・バレッタを殺すのだ」


「は、はいいいぃぃぃ!!!」



そう言うと男は消えていった…。



「イリネス・バレッタ…! 次こそは貴様の最期だ!ハーハッハッハッハ!!!」



男は高々しく笑い出す。果たして、何者なのか…!

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