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第1話

「わああああ!!!遅刻だああああ!!!」



少女は今すぐに学生服に着替え、階段を下りてリビングに向かう。


そこには既に朝食が置かれていた。



「お姉ちゃん!起こしてって言ってたのに!もう7時半になってるよおおお!!!」


「私が起こしに行っても起きなかったじゃない…煉華ももう16歳になってるんだから、私が起こしに行かなくても起きるようにしなさいよね」


「ボクが寝坊常習犯なの知ってるのお姉ちゃんだよね!?」


「はいはい、ほら早く朝食を食べなさい」



彼女の名前は『宮薙煉華(みやなぎれんか)


年齢は16歳で背中までの茶髪に両眼黒目のどこにでもいる極々普通の女子高生だ。



「はい、煉華の好きなハンバーグよ」


「わあ…ありがとう!お姉ちゃん!」


煉華の隣に居るのは姉の『宮薙愛理(みやなぎあいり)


年齢は煉華の2つ上の18歳、煉華と同じ学園で更に生徒会長まで務めている学園のアイドル的存在だ。


そして、煉華も高校1年でアイドル的存在になっていて、『可憐な宮薙姉妹』と異名をとっていた。



「ねえ、お姉ちゃん…。 ボク、変な夢を見たんだけど…」


「夢?」



煉華は夢について語り出した。



「うん…ボクと同じくらい…ううん、瓜二つかな?その人が凄い事をして…白い何かと黒い何かがドーンって…」


「でも、それは夢なんでしょ?どうせ」


「そうだけど…最後にその人死んじゃって…悲しそうな目をしてたんだ…」



煉華は物凄くしんみりしていた。



「でも、結局夢なんだから、大丈夫。 たとえどんな事があっても、私が煉華を護るから」


「ありがとう…お姉ちゃん…」



朝食が終わり、鞄を持ち、学園に行く準備も済ませ、2人は外に出る。


2人は自転車に乗り、学園を目指す、学園に到着する時間は自転車で20分の距離だ。



「煉華~、宿題忘れてないよね?」


「大丈夫だよ~!お姉ちゃん!」



その2人の様子を見ていた、謎の人影…。



「見つけたぞ…『イリネス・バレッタ』!!!」





ーーーーー





「お早うございます!」


「お早う!今日もぎりぎりだったな」


「そうですね…。妹は寝坊常習犯ですから…」


「むう!お姉ちゃん!」



校門に居る教師に挨拶をし、自転車置き場に自転車を入れて其々の教室に行く。



「それじゃあ、またね」


「うん!またね!」



一旦、愛理と別れた煉華は自分の教室へ入った。



「お早う煉華」


「お早う!仁絡君!」



彼の名前は『相市仁絡(あいいちじんらく)


煉華の幼馴染で一緒に遊ぶ事もある仲の良い男子高生だ。



「なあ煉華、宿題教えてくれ!頼む!」


「またあ~!もう…宿題を忘れたら先生になんて言われるかわからないよ?」



仁絡は宿題をしない忘れ物常習犯である、故にいつも宿題をしている煉華のノートを写してもらっている。



「よーし!席に着け~!」



しかし、時間が来たのか、先生がやってきた。



「あっ…」


「相市…お前また宿題を忘れて宮薙のノートを写し書きしてるのか!?」


「ああ…仁絡君、ご愁傷様…」





ーーーーー





「お姉ちゃーん!今日も一緒に帰ろう!」


「あっ、御免なさいね煉華、私今日生徒会の仕事をしなくちゃいけないの」



前に言ったように、煉華の姉、愛理は生徒会長を務めていて、たまに生徒会長にしか出来ない仕事もあるのだ。それが今日になったのだ。



「うん、仕事だから仕方がないね。 それじゃあボクは先に帰るよ」


「ええ。 あら?仁絡君はどうしたの?」


「ああ…、仁絡君、宿題忘れちゃって…先生に居残りで宿題させられてる…」



それを聞いた愛理も苦笑い。



「お姉ちゃん!仕事頑張ってねー!」



煉華は愛理に手を振って、先に家路に着いた…。


その時だった…!






ーーーーー






「きゃああああああああ!!!!!」


「お姉ちゃん!?」



突然爆発音が鳴り響いた!


そして、その近くに居た愛理が巻き込まれてしまった!



「お姉ちゃん!」


「はあ…!あ…うう…!」



傷が酷く、火傷をしていた。命に別条はない物のこのままではヤバいと思った煉華は慌てふためいた。



「一体…誰が…!」


「ようやく会えたな…」


「…え?」



そこに現れたのは、1人の男。そして、その後ろには取り巻きと思わしき男達。黒い短髪で黒を強調した服を着ていた。そこまでは普通の男だったのだが…。












この男、武器の斧を持っていた。



「見つけたぞ…!『イリネス・バレッタ』!」



男は煉華の事を『イリネス・バレッタ』と言ったが、煉華は何のことなのか分からなかった。



「イリネス…?誰なの!?ボクは宮薙煉華!貴方は誰なの!?」


「お前は…生かしてはおけない…まさかこの世に居るとは…殺してやるぞ…!」


「ああ…この人…な…に…?」



煉華は察知してしまった。この男の目は本気である事も、そして煉華を本当に殺そうとしている事も。



「ああ…あ…」



男は斧を振り上げ、煉華を睨みつける…!



「死ね!」


「嫌ああああああああ!」



煉華は思い切り目を瞑る。斧が煉華を真っ二つにしようとしたその時だった!



「なっ!何だ!?この力は!」



突然、謎の光が煉華を包み込んだ。そして…。



「………」



光が消えた時、煉華はただただ突っ立っていた。



「お…驚かせやがって…!まあいい!死ねえ!」


「!」



ドンッ!



「があ!」



煉華は男に掌底を叩き込んだ!男はそれを真正面に受け、吹っ飛んでしまった。



「貴様達は、余になんのようなのだ?」



突然、煉華の口調が変わった。 その風格は煉華には無い威厳が満ち溢れていた。



「イ…イリネス・バレッタ!」


「何だ?貴様達は余の事を分かっているのか」



なんと、煉華の身体が光によってイリネスの魂と繋がりイリネスの魂が煉華の身体に入ってしまったのだ。



「お前が居た国は元々は我らシュヴァレ王国の物だ!それをお前達は俺達の国を乗っ取ったのだ!」



完全な逆恨みだったが、これはイリネスの前の王、イリネスの父がシュヴァレ王国を攻撃し勝利。そこをイリネスの名前に乗っ取り『バレッタ王国』と言う名前になった。



「それは父上がやったことだ。 更にそれをやったのは民達の為だ」



シュヴァレ王国は莫大な年貢と若い女性を強制的に城に招き、罪のない者達が死罪になると言う、最悪な状況下に置かれていた。


それをイリネスの父が見逃すはずも無かったという事だ。



「さて…貴様達は罪のない者を傷付けた…。 よって貴様達を痛めつけてやろう」



そう言うとイリネスは右手に光で、左手に闇の剣を作り出す。



「ふむ…慣れない身体ではここまでか…。 だが、貴様達にはこれだけで充分だ…。 さあこい…!」


「俺達を甘く見過ぎだ…!やれ!お前ら!」



男達はイリネスに向かい、攻撃しようとした。



「その程度なのか?」



しかし、イリネスはまるで瞬間移動をしたかのように、攻撃を避けた。



「そ、そんな!」


「余の力を侮るな。 次は此方の番だ」



イリネスは男達を次から次まで倒していく。剣で攻撃、防御を繰り返し男達は倒れていく。



「フォトン!」


「ぐああ!」



イリネスは光の球体を作り出し、男に投げつけ、ヒットする。



「ぐうう…!」


「余は戦うことは好きではない。 この場を退いてくれぬか?」


「ふざけるな!もし逃げたら、あの方からどんな仕打ちを受けるのか…!」


「そんな大振りでは余に当たらぬ。 それっ!」



男は斧をイリネスに振り下ろしたが、楽々と避け、腹に蹴りを入れた。



「ぐあ!」



男は腹を蹴られ、のた打ち回っている。



「これで分かっただろう? 貴様達では余に勝てる事は出来ん」


「ククク…、これで勝ったと思わない事だ!」



男がそう言うと、いきなり愛理に襲いかかった!



「なっ!」


「これで貴様は身動きが取れないだろう!」



男が斧を愛理に攻撃しようとした…その時だった!


《止めてえ!》


「なっ!力が…!勝手に…!」



イリネスの…いや、煉華の右手から強大な光を作り出し、男に攻撃した。



「な…ぐあああああああああああ!!!!!!!」



その男はその光によって、どこかに消え去った…。



「な…に…?今の…は…」



そう言い残した煉華は静かに倒れこんだ。


そして、この力が後に世界の運命を左右する。

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