プロローグ
俺は、不思議な場所にいた。
草原が辺り一面に広がり空には雲一つなく、暖かい日差しが眠気を誘った。
ここは何処だろう?死後の世界かな?体も若返ってるし・・・個人的には死んだら三途の川を渡るものだと思っていた。それにしてもここは殺風景だな。まぁいい、いい天気だし寝るとしよう。
俺が寝始めて五分ぐらいたった時、俺の傍に誰かがやってきた・・・
「あなたが、岩井俊秀さんですね?」
俺に声をかけてきたのは、長い黒髪で顔には仮面を付け、大きな白い翼が生えた人だった。
「はい、そうです。あなたは?」
「私は神・・・セレスティナとお呼び下さい。」
「神様ですか・・・セレスティナさん、俺に何か用ですか?」
「はい、俊秀さん単刀直入に言わせてもらいます。
あなたには、とある世界に今すぐ転生してもらいたいのです。」
「別にいいですけど、何かあったんですか?」
「とある人物の野望により世界が崩れようとしています。」
俺は何か聞き間違いだと思ったがあえて突っ込まなかった。セレスティナは黙々と話を進める
「その人物は転生を繰り返し絶大なる力を手に入れました。その力は私達を超えるほどになってしまいました。その後その人物は異世界を作り出し存在する全ての世界をものにしようとしているのです。」
「スケールがでかい話だな。何故俺が転生に選ばれたんだ?俺なんかより強いやつなんていっぱいいるだろ」
「俊秀さん、惚けても無駄ですよ。あなたの生前したことは知っているのですから。」
「ふーん・・・神に伊達じゃないって事か。」
俺は少し驚いた顔で言った。そして少し間を空けてつぶやくように言った
「やはり、神様に隠し事は出来ないってことか。」
「いえ、あなたの話はよく聞きましたから・・・・。」
セレスティナは懐かしそうに言った。どうやら俺のことをべらべら話した奴がいるようだ。
「しかし、神の力を超えてしまったような奴に俺は勝てんのか?」
「私達が直接戦うよりも勝率は上がるでしょう・・・あまり言いたくないんですがここ天界も平和ボケでおそらくまともに戦うこともままならないでしょう。」
「天界はまずい状況なんだな・・・。わかった今すぐ転生しよう始めてくれセレスティナさん。」
「わかりました。それでは俊秀さんこの力を受け取って下さい。」
セレスティナは何かの呪文を唱えると水を掬う様な形で右手を胸の位置まで持ってきた。呪文が唱え終わると右手には七色に光る球体が現れた。そして、七色に光る球体を俺の体にぶち込んだ。
「俊秀さん、この力を手に入れる事であなたは天空の勇者の称号を得る事になります。この称号であなた自身の転生の決定権とこの力の行使・譲与が認められました。」
「くっ・・・この力は何だ?」
よくはわからないが、体から力が漲って来る様だった。
「この力は長い間封印されていました。そのためすぐには全ての力は使えまえせんので注意して下さい」
俺はセレスティナの言葉に頷いた。
「それでは俊秀さん、今から転生を始めますが何かして欲しい事はありますか」
「そうだな・・・できれば俺の名前と性別、それと前世の記憶を引継ぎにしてくれ」
「わかりました。では転生を始めます・・・・・・。」
セレスティナは何かの呪文を唱え始めると俺の周りに白い光が現れた。少しずつ光に包まれていく俺はゆっくりと意識が遠退くのであった。
「・・・俊秀負けないでね」
その時、セレスティナが言った言葉と仕草が俺の記憶のある人物にダブった。
「お前まさか・・・・・・・」
俊秀が名前を言う前にセレスティナの前から白い光に包まれ消えていた。
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