第四章 最強の主人公降臨
――――ミーレの家の前――――
「では私と闘ってくれないか?」
「―――――――えっと……」
この場面はセル騎士団と戦う前の所だったよな
しかし緊張はしてるもののあの時みたいな恐怖感は無くなっていた
あれだけ特訓したし心配すること無いよな
「望むところです!」
「ではっ!」
というと相手は剣を構えた
「ヴェーア!」
俺も剣を呼び出し構える
「剣が現れた!?……なんと不思議な魔法ですね、教えてもらいたいものですっ!」
と、言うとかなりの勢いで走ってきた
「これは特別な魔法なんですっ!!」
キィーン!
その頃ミーレはというと……
「今日はどんな夕食にしようかなぁ~♪」
鼻歌を歌いながら料理を作っていた。
いろいろな食器を出してる最中に外が騒がしいなと気づき窓から確認してみるとブレイクと騎士団が戦っていた。
「えぇ~!何で戦ってるの?」
ミーレは初めはびっくりしたもののブレイクの戦い方に少々見惚れていた。
「す、すごい。ブレイクってあんなに強かったんだぁ……」
どこの騎士団にも属さない謎の黒目の少年が名高いセル騎士団と対等に戦っているなんて
ミーレはしばらくの間夕飯の準備を忘れていた
「おりゃ!!」
胴を薙ぐ様に斬ってきた
状況は少し違うけどあの時と同じ攻撃方法……
相手の攻撃をギリギリまで引き寄せ避けて
ブォン!!
相手が空ぶった隙に右蹴りで打ち上げる
騎士団リーダーは、うっ!と唸りを上げて飛ばされる
「さすがですね、強さが違いますよ」
腹を押さえながら魔法を唱え始めた
「燃え盛るもの、それは少しの揺らぎもなく周りを焼き尽くす。相手に苦痛を、このフォースを炎獄神に捧げ、力をお与え下さい。大魔法フレイムピラム!!」
手を空にかざすと真っ赤に燃える炎の柱が出現した
「ハァ。ハァ。これは大量のフォースを消費する強魔法の1つ、大丈夫です。当たっても死ぬことはありません、致命傷にはなりますが……」
フレイム『ピラフ』?
そういえばこの世界に来てからそういうのはもう食べられないのかなぁ
などとのんきに考えている場合ではなかった。
その火柱は唖然とするほど物凄いものだった
すると誰かが頭に直接話しかけてきた。テレパシーというやつか?
(剣をかざしながらソーサリーフレクトと唱えてみてください)
……?なんだか分からないけどこのピンチをしのぐには言う事を聞くしかねぇな
「ソーサリーフレクト!!」
なにか虹色に光る何かが巨大な盾になった
すげぇ……こんなこと出来たのか……
巨大な火柱が盾にぶつかると爆発音を立てながら火柱が跡形も無く消え去った
「な!?そんな簡単に……」
相手は息を荒く吐きながら目を見開いていた
「今度はこっちから行きます!!」
真っ二つにしない程度に威力を調整し剣を振り上げる
人殺しにはなりたくないもんで
うっ!
すばやく相手を剣で打ち上げた後に2回蹴り、体を捻らせた後に
ちょうど良い位置に来た相手を上空から地面へと蹴り落とす
ドゴヴァーーン!!
そんな効果音と呻き声をたて地面に叩き付けられた
死んではないと思うけど骨とか大丈夫かなぁ……
セル騎士団はよほど驚いたのか目を見開いていた
「やはり……伝…説は…本当だっ……た…」
ガクガクと立ち上がりながら声を発した
あんなに高いところから叩き落としたのに骨、どこも折れてなさそうだった。さすが騎士団
「私はセル騎士団攻撃要因隊長のギフェアです。あなたのお名前は?」
背中を擦りながらたずねてきた
「ブレイクです」
ギフェアか。なんか、かっこいい名前。
そうだそうだ、入団しないといけないんだっけ
「あの~?」
「あなたの強さはよく分かりましたそれでは―――」
「入団させてくれませんか?」
立ち去ろうとしていたギフェアは何かに引っ張られるようにシュタッっとこっちを向いた
「そ、それは、ほ、本当ですか?」
呆然と立ち尽くしていた
「ほ、本当か?」
「はい、気が変わりました。が、しかし、まだ大丈夫ですか?」
良いに決まってるじゃないですかと言わんばかりに手を握り締めて
ブンブンと振った
物凄く嬉しかったのだろう。しかし、そんなに俺の立場は凄いのか……
「ではブレイク殿、早速我が城へ」
そう言われ俺は、騎士団達に肩をつかまれ連れて行かれた
「ちょ、ちょっと!ブレイク~どこに行くのぉ?ごはんは~?」
夕飯を作っている途中だったのだろう。ミーレがエプロン姿で外に出てきた
「セル騎士団の城にちょっくら行ってくるよ」
ミーレには悪いがこの状況行かなきゃな
「なるべく早く帰ってきてねぇ~」
「ブレイク殿、さぁこちらへ」
ブレイクはこの先どうなるのか不安を感じるのであった。
あと、あの時のテレパシーは一体……