第二章 セル騎士団との戦い
――――ミーレの家・居間――――
「セル騎士団っていうのはね、数少ない人材を集めて作り上げた魔法剣最強の騎士団よ!」
「そんな騎士団がいたなんて………」
なんかこれからやばいことになりそうな気がするなぁ
さて、これからどうするか………
「んじゃあ、ブレイクはどこに騎士団に所属してるの?」
「どこにって?」
所属も何も俺は………
「そうよ、セル騎士団じゃ無いなら、ゼロ騎士団?アカ騎士団?それともクア騎士団?……まさか、ダーゼル闇騎士団なんてこと無いわよね?」
何ひとつ分からない、そもそも聞いたことが無い……。これじゃあ嘘のつきようが無い。
「………ごめん、知らない」
「し、知らないって5騎士団全部分からないの?」
「知らない………」
「嘘でしょ、世間知らずにも程があるわ」
世間知らずというか、まだこの世界の新米であって何ひとつ分からない身でして……
なんと説明したらよいのやら………
「信じてもらえるかどうか分からないけど、俺さぁ、この世界の住人じゃないんだよねぇははは……」
「この世界の住人じゃない……?」
やっぱり信じてもらえるわけ無いよなぁ~
と思いつつ話を続けた。
「そう、日本っていう……分からないか。まぁ違う世界から来たんだ」
しかしなぜかあっさりと答えが返ってきた
「やっぱりそうだったんだ、私もそうだと思ったんだよねぇ。だってどう見てもその服装は、ここらの人が着てるような服じゃないもん」
信じてもらえちゃったよ!
でも、その理由がこの変だという服装なのか?
そんなに変なのかぁ?
「この剣も、俺が目が覚めた時に貰った…いや、拾った?物だし」
「そうなんだ、そういえばさっき、ヴェーなんだっけ?なんか名前みたいの呼んでたよね?」
剣を確認しようと俺の周りを見回す。
「ヴェーアね、それはこの剣の名だよ」
そういいながら剣を前に出現させた
「わぁっ。……これが?とても綺麗な剣ね」
その言った瞬間、少し輝きが増したような気がした
「まあね、でも俺が付けた名前じゃないんだ」
初めて貰った…いや、拾った?剣の時の様子を思い出しながら説明した
「へぇー最初からついてたんだ」
自分のことをしばらく話していると、またノック音が聞こえてきた
「ん?誰だろう?」
ミーレが玄関の扉を開けるとセル騎士団が立っていた。真っ赤な制服に金色のボタン、ズボンは黒一色。
「どんな御用で……?」
そのなかの一人が歩み寄ってきて
「ここら辺に凄腕の黒目の少年が居たらしいが見なかったか?」
などと言ってきた。言って良いのか悪いのか、ミーレには判断しかねなかった
「おーい、誰が来てるんだ?」
何も知らない俺はそいつらに顔を見せてしまった
「あなたが噂の………」
噂?え?もう噂になってるの?
「ってか、あなた達は誰ですか? 知り合いなのかミーレ?」
「いや、騎士団の人とは関わりを持てないから知らないよ」
そんなにすごいのか騎士団ってのは。
「あなたが黒盗賊と戦っていたとき私たちの部下の数人がたまたま、あなたを見かけたそうで、よく見ると黒目だったそうな」
悪い人じゃないと判断したのか、ミーレが「夕飯の準備してくるね~」と言いながら
部屋の奥へと戻っていった
いやぁ、俺は結構、尾行とか気づく方なんだけどそれより遠くにいたのに良く見えたな……
―――――恐るべしセル騎士団。
「そんなに黒目が珍しいんですか?」
「もちろんですとも、階級の目の色がどこにもあたいしない謎の魔人、伝説では聞いたものの本当にいるとは私たちも一目見なきゃ信じられませんでした」
まてまて、魔人だと…?
俺は人間だぞ?魔人って何でも出来ちゃう最強の人じゃなかったっけ?
「いや~でも俺は魔「是非とも我がセル騎士団に入団してもらいたい」マジっすか……」
やっぱりな。なんとなくそう言いそうな雰囲気だったし
入団したところで歯が立たないのは目に見えてるし
そもそも伝説になってるってことはやっぱ闘える奴だよな?
「でも俺「おねがいします。どうか入団してくれませんか?」そこまでやりますか?」
先程まで立っていたセル騎士団一員が膝をついて頭を下げてきた
というか入団したところですぐばれると思うしそれはそれでややこしくなりそうなんだよなぁ~
「止めておいた方がいいですよ。ほんとに何かの見間違いですよ。目の色が黒だってのもちゃんとした黒じゃないっていうか―――――――」
などと、とにかく否定した。
入団したところで、戦力になるどころか足手まといになるしな
そうすると一番偉そうな奴が立ち上がった
髪は長髪の赤色で体つきは良いし身長も高いしでイケメン要素がたくさん含まれてた。
「では私と闘ってくれませんか?」
「はぁ?」
絶対に負けるって!!瞬殺されるだろ・・・
相手はすでにこちらに剣を構えている
あぁ・・・神様、どうか私をお守り下さい
などと特に意味のないことを祈りながら剣を取り出すと俺も構えた
「け、剣が何もない空間から現れた!?・・・なんとも不思議な魔法ですね、教えてもらいたいものですっ!」
と言うとかなりの勢いで走ってきた!
「覚悟!!」
最初は胴を薙ぐ様に斬ってきた
キィィイン!
守るので精一杯だった。相手は真剣そのものプロも同然。
そんで俺は完璧な素人。歴然の差に結果は見えていた。
「どうしたのですか?手加減は無用ですよ」
キィン!キュィイン
目にも留まらぬ速さで斬りかかってくるので、もはや守ることしかできなかった
というかここまで守ることが出来た俺を逆に褒めたい。
「うっ!!」
突如横腹を蹴られよろめいてる所に「とどめ!!」と頭上から迫ってきた剣を最後に俺の意識はフッと途絶えた。