第一章 非現実的な世界
――――ゴーナ平原――――
「痛ぇ~~~」
頭の痛さで目を覚ますと平原に倒れていた。不思議なことにたんこぶ1つ無かったが・・
そこら辺にあった看板らしき物にゴーナ平原と書かれていた………また、どこだかわからないところにまた来てしまった
「ったく、どこに行けばいいのやら………」
とりあえず、歩かないことには始まらないので勘を頼りに進んでいった
しばらく歩くと頭上から手紙っぽい物が降ってきた。
「ん?なになに………」
特別コース申請書
第二の人生楽しんでますか、君にはまだ名前をまだ言っていませんでしたね
私の名前は「キルティ」です。今後ともよろしく
この通信ペーパーを送ったのは君には力を応用できる力を与えたいと思ったからです。
この世界には、野生の魔物が普通に出てきます。今の力では太刀打ちできません
力を応用出来れば、某水中サッカー好きの少年みたいにバク転を武器を持ちながら威力を上げて攻撃することもできればアクション主人公のように2段ジャンプが可能になったりとか、まさにゲームの中に出てきそうなものばかり
この先の旅はどうなるか誰にも分かりません、君が作り上げていくのですから
では、もしも力が必要でありましたらサインを記入してください
女神 キルティより
氏名 おまかせ
――――――――――
「今のままじゃ魔物に太刀打ち出来ない……だって………?」
こういう手紙が俺の家に届いたら「また通信販売がどうたらこうたらだろ?」ってな感じに即ゴミ箱行きだっただろう。
しかし、今は違う。これは確実に手に入れないとやばいな。
「書くものが………っとペンが落ちてきた」
いざ書こうとしたとき、ふと気づく
「俺の名前、なんだっけ?」
どう思い出そうとしても思い出すことができない自分の名前
「………忘れちゃったよ」
しばらく通信ペーパーなるものを眺めていると氏名記入欄の隣に「おまかせ」と書いてあった
「おまかせってなんだ?」
と俺はとりあえずその文字を指でなぞった
ピュイン!
「!?」
眩い光が目の前いっぱいに広がると氏名の欄に勝手に記入されていた
「ブレイク………?」
勝手に名前が決まった。さすがおまかせだ、というかこれが俺のこれからの名前……?
英語では……確か壊す?………だっけ?まぁあまりよくないことは確かだがどうやっても消せない………。
「自分の名前は分からないし、書かれた名前は消せないし、これで生活していくか」
「ブレイクブレイクブレイクブレイク………まあいっか」
自分の勝手につけられた名前を何回も頭の中で連呼していた
立ち止まっていると足元に影が?
「なんで?どんどん広がってうわっ!!」
ゴトンッ
ものすごい重量感がありそうな剣が地面に………
「すげぇ~、超重そうだし」
カチャ
「って軽っ!片手で持てるなんて」
その剣を眺めているとローマ字で何かが書かれていた
「name?これの名前か?………ヴェーアっていうんだ」
なんか付属されていた紙を見てみると
どうやらしまう時は消えるように思えば勝手に消えてくれるらしいようだ、これは移動が楽だ。しばらく剣を振る練習をしていると誰かが木の茂みに潜んでいるのが見えた。
カサッ
こちらから見たらバレバレであるが向こうは必死みたいである
「おーい?」
「………」
「バレバレだけどー?」
「………」
「君の後ろにお化けがいるよ」
「っ!!」
いきなり飛び出してきたその少女は背的に俺より年下だろうか………
「きゃぁああああああ」
「うわっ!」
目をつぶって思いっきり走ってくるので俺はその子にぶつかった。
「あ、あの君、だいじょ「で、出たな!レインボラル」………は?」
レインボラルって誰だ?………なんかバリバリ戦闘モードだし
「か、覚悟しなさい!」
「おいおい、待てって俺は違うって!人違いだって!!」
「そうやって人を騙すのね、お母様が言ってたとおりね、そんな変な服装をしてるくらいだから、絶対にそうだって!」
「ほんとに違うって、うわっ、その危ないものをしまえって」
「あなた、こんな武器も知らないの?」
それは剣が数十本集まった円形状の車輪みたいなものだった
「なんだよ、その変わった武器は!?っていうか、それ武器なの?」
どうやって攻撃すんだよ………
頭の中がハテナで一杯に広がるとその少女はほっと一息をつきながら
「ふぅ………どうやらあなたはレインボラルではなさそうね」
俺の馬鹿げた質問でどうやら助かったらしい………
「だから、そのレインボラルって誰だよ」
「討伐ターゲットなのよ、その人」
討伐ターゲット?この国はいったいなんなんだ、超こぇ~、無力な自分がターゲットにされたら一貫の終わりじゃん、とにかく助かってよかったぁ~~、って、ん?なんか意識がクラっと……
「だっ大丈夫ですか?」
気が抜けたのか俺はその場に倒れた……
「俺、精……神…力……弱ぇ~………」
――――――――――――――――――――――――――――――――――
どのくらい気を失っていたのだろうか………
目をゆっくり開けるとそこにはさっきの女の子がいた
「あのぅ、大丈夫ですか?」
「あ、あぁ、まだぼーっとしてるけど大丈夫」
「えっと、今、おかゆ作ってるんで待っててください」
(………おかゆってこの国にもあるんだ)
そういうと、彼女は扉の向こうへと向かって行こうとしたので
「あっ!?さっき言ってたレインボラルってどうなったの?」
おかゆのことはもはやどうでもよかった
とにかくレインボラルの討伐のことがちょっと気になった。
「あれは討伐依頼を断ったわ、依頼を受けてるよりも倒れたあなたの方が心配でほっとけなかったからね」
俺は思った。こんなに優しい子に助けられて良かったと
しばらくして運んできてくれたおかゆを口にする
「………」
「どうでしょうか」
なかなか美味しい、でもいつも食べてるようなものではなく、少し変わったような味がしたが、全然いけた。
「うん、美味しいよ」
「よかった、あの時、あなたが倒れたときはほんとびっくりしたんですよ」
そうだろうなと思う。いきなり人が倒れたら驚くのも当然だと思う
彼女がふと何か思ったのかいきなり顔を近づけてきた
「………あなた、目が黒いのね」
いや、黒いのは当たり前じゃないのかと思った
「みんな黒いんじゃないのか?」
少女は首をかしげていた………なぜだ?
と、よくみるとその少女の目は青色だった
「………そんなに黒は珍しいのか?」
「黒い目の人なんてこの世界に存在しないわよ」
「黒目が存在しない………?」
「うん。黒目ねぇ………」
少女は少し考え込むようなそぶりをしていたがそのうち
らちが明かなくなったのか
「………自己紹介がまだでしたね。わたしはミーレ17歳、あなたは?」
と、自己紹介に話を切り替えた。
この話はまた後でもいいだろうと思い
「俺はブレイク、17歳」
と名乗った、これが偽名なのは知っている、しょうがないけど
「なぁんだ、同い年?…ブレイクね、んじゃこれからブレイクって呼ぶからよろしく」
いきなりため口!?まぁでも、その方が話しやすいかな
そんな自己紹介をしていると突然
ゴンゴン!!とやけに乱暴にドアを叩く音が聞こえた。
「だ~れ~か~いませんか~。いるんでしょ~ミシェルちゃん~」
はぁ~というため息が聞こえてきた
「またあいつ等か………」
「誰?」
「黒盗賊よ、女の人や、金目のものを何でもかんでも奪う酷い人」
黒盗賊?そんな奴が何でここに、まぁいつまで待っても帰ってくれそうにないし
とりあえずこの武器があれば追い払えるかな?
でもこの剣はまだ使ったこと無いし、ここで使うのも………
いや、ここで使わなきゃいつ使うんだ?・・・やるっきゃないか
「ヴェーア!」
そう叫ぶとどこからともなく現れた剣が手で握られていた
「ブレイク?その神秘的な武器はいったい?」
「これはね、俺の大事な武器なんだけど、細かな説明は後でね」
そう告げると入り口の扉まで歩いた。
武器が無くなったらこの世界で生きていけないからな
「おっ来ました、ミーレちゃ「黒盗賊さん、この家に何の御用ですか」……き、貴様はだれだ!」
顔がアホ面だ、長いひげに、赤い服に金のズボン、そして緑のトンガリ靴
「………きもい、黒盗賊の癖に派手だなぁ~」
結構小さな声で言ったつもりだが黒盗賊のリーダー………いや、髭面ピエロ(さっきの原色野郎はこう呼ぼう)はそれを聞き逃さなかった
「なっ、なんだと、私に向かって、きもいなど、お前らこいつを叩き潰せ」
あ、派手とかそういう部分にはノータッチですか………
そういって出てきたのは超がつく程がたいのでかい男が二人前に出てきた
「誰だか知らんが親分を馬鹿にした罰にボロボロにしてやる」
ボロボロって怖い怖い、とにかくボロボロにされる前に倒さないと
「よし、覚悟!」
そういって剣を一振りすると真っ赤に燃え盛る火剣に変わった
「えっ?」
俺はかなり、いや、めちゃくちゃびっくりしたが髭面ピエロは俺の数倍はびっくりしていた
「魔法剣だと………ばっ馬鹿なそんなはずは………」
顔が真っ青になっていた。こんなにびびる剣なのか?………脅しをかけてみるか
「魔法剣っていうのかこれ?まぁこの剣さえあれば……いや髭面ピエロにはこの剣さえ必要も無いな、いやでもこれを使って速攻倒されたほうがいいかな?」
とくに後半部分に力を入れて言ったのだが
「ひ、髭面ピエロだとっ!」
あっ、違うところに突っかかりましたか………
顔をさっきから青くしたり赤くしたり忙しい奴だなぁ………
「親分、こんな奴に勝てるはずが無いですよ、魔法剣ですよ魔法剣」
「くうぅ………し、仕方ない、引き上げるぞ!」
そんなことを髭面ピエロは言いながらどこか遠くの方へと逃げていった
そのころ逃げていった方の木の影に隠れていた謎の人物がブレイクを観察していた
「あの少年、目が黒かったな………まさか!?」
「あの伝説の話だろ?見間違えじゃないのか?」
「う~ん、確かにあれは黒だった」
「お前がそういうならそうだろうなぁ騎士団一視力良いし」
そんな会話を木の陰でやりとりしていた
「なんだか知んないけど助かったぁ~」
などと言ってると、なんか物凄い勢いでミシェルが来て
「ブレイクってセル騎士団の一員だったの?」
なんかすんごい目でこちらを見ているが何がなんだかさっぱり分からない
「セル騎士団って何?」
「セル騎士団って凄腕の人たちが集まる最強の騎士団だけど………」
「そんなにすごいの?」
「って!!、セル騎士団を知らないのぉ!!!!!?」
とてつもなくでかい声を出してきた、鼓膜が破れるくらいな特大なのを………