第九章 騎士団クラスSSS
「では、騎士団クラスを発表したいと思う」
学校などで答案を返されるときは溜息しか出なかったが
今回は少し違う気持ちだ……
「Aクラスは誰一人としていなかった。だいぶ上達したな」
みんなうんうんと頷く
「Sクラスは2人、キューラ・タミン」
私たち上達したねと手を取り喜び合う二人
「SSは6人、レクセル・ヴェスティ・ダロット・マールー・ピロク・アイゼーン」
なんでピロク。おめぇの名前が載ってんだよっ!とダロットがいった
「いや、僕に言われても……」
「まったく。調子に乗るなよ?」
マールーの忠告に首を縦にぶんぶんと振る
「そして今回はSSSが1人、ブレイク君だ。」
……?どうなってんだ?
期待を大きく裏切った……。良い意味で……
「……えっと俺がSSSですか?」
「そうだ、何か不満でもあるのか?」
テストで100点を取ったことなど一度も無いがきっとこんな気持ちなんだろう
「いやいや、そんな高いクラスだったんですか?」
「いや、そのぐらいのクラスの結果が出ることぐらい予想はしていたよ」
「予想って……」
「実はなぁこれ以上にクラスは存在するんだよ」
「そうなんですか!?」
と一斉にみんなが言う
「そうだ、SSSの次にSSSS、その次にSSSSS」
なんかもうただ単にS並べただけだよな……。S文字の上は無いのかよ
「お前たち、Sの数を増やしただけの手抜きだと思ってないか?でもな、これは協議会が決めたことだからこちらからはどうにも言えない。……が、そのうちSの文字より上が決定されるだろうな」
そうですか……。てか、そうしてくれなかったら、数えるのが大変になるな。
当然のことだけど
「まぁ、これにて能力テストを終了する、各自、自由にしてくれ、あ、あとブレイク。部屋を案内するからついて来てくれ」
「……部屋?」
「必ずしもそこに泊まれとは言わないが、所有物などを置いたりだな~。自分の部屋のように自由に使ってくれ、鍵の心配はいらない。認証システムが働いてるからな。」
「は、はい、分かりました」
そんな話をしながら自分の部屋の前まで来た。場所は入り口から左手に進み右に見える階段を上りまた左手に進んだSSS001という部屋番。部屋番名の決め方はランクがSSSで最初の到達者で001ということらしい。
「んじゃ、そういうことだブレイク。このあとはとくに用事がなかったら帰ってもいいぞ。今日は特に何もないからな」
「はい。分かりました。ありがとうございます」
「では、姫様、部屋に戻りましょう」
ギフェアはそういって姫様に手を差し出したが……
「……」
「姫様?」
「…………」
「聞いてますか?姫様!?」
「あっはい。すみません」
「では」
「あ、あのぅ、ブレイクさん」
ギフェア心
まさか、まさかこの展開は!?
「はい?なんでしょうか」
「今日の事なんですけど……」
ギフェア心
来るか?来るのか?来ちゃうのか!?
「今日がどうかしましたか?」
「御一緒に……」
ギフェア心
だいたい予想は付く。この展開はだな、御一緒の部屋に泊まってもよろしいですか?
とか、姫様言いそうだぁ……。これは姫様側近の私がどうにかするべきか……。いや、この場合は見守るべきではないか?むぅ~……いや、こういうことは、もっと先になってからか?まだ幼いし……、いや、ブレイクは人間性が良いから大丈夫か?そういう問題じゃない?……これからの生活がどうなっていくのだろうか?いやいやいや、将来はどんな風に暮らしていくのか?私も近くに置いていただけるのだろうか……いや、それはマズいよなぁ。家族の中に私がいるのはおかしい。これは止めるべき――――
………………あれ?
「誰もいない…………」
*お約束です
そのころブレイクたちはと言うと姫様に袖口を引っ張られていた
「姫様?何処に行かれるのですか?」
「敬語は止めてください、緊張します」
…………いや、マズいだろ?姫様にため口!?……マズいって!!
「いや、でもさすがに困ります」
おっと!
いきなり姫様が立ち止った。
「私が姫……だからですか?」
「あたりまえじゃないですか、姫様にため口などそんな無礼なことは出来ません」
「そう……です……か…………ならば、姫を辞めます」
「……………………………………………………へ?」
姫を辞める?姫様を辞める??
何?何が起こったの?
「そ、そそそそれはどうなさっての過程からの結果で~」
もうなんか自分が言ってることが正しいかどうかぁ~(混乱)
「過程……?ですか?そ、それはですね、わ、私は、あ、あなたのこと、いえブレイクさんのことが・・・」
「ひーーーめーーーさーーーまーーー!!!!!」
ギフェアが凄い勢いで大声を出して走ってきた
「ギフェアさん。大変なんです。」
「どうした!!?結婚の話か!?」
「……結婚?(何の話だ?)いえいえ、違います、とにかく、姫様が姫様をお辞めになると……」
「姫様が姫様を辞める?それはなぜだ?……って大丈夫ですか姫様!?」
「わ、わわ私が、ブブブレイクさんと。けっこけっけけ結婚をぉ~~」
鶏のようにコケコケいいながら倒れる姫様
「大丈夫ですか姫様!?」
「姫様は大丈夫なんですか?」
「……いつものことだ(なんという鈍感男なんだ)」
「いつものことなんですか?でも、ほんとに大丈夫ですか?」
「心配することはない、大丈夫だ。姫様は部屋に運んでおく。ブレイクは今日のところは部屋に戻ってくれ、家に帰っても構わない」
「……分かりました」
姫様のことも心配だけど、とりあえず部屋に戻ってひとまず寝よう。
いろいろと混乱してるところもあるし……
頭の整理もしないと、もう何が何だか…………
そして、ベッドに倒れこむと同時に深い眠りについた……