幕間1
本日4回目の投稿となります。あと1話、本日中に投稿いたします。
蜜蝋の蝋燭が甘い香りを漂わせ、穏やかな楽団の生演奏がゆったりとした時間の流れを演出する、モノトーンなヨーロピアンクラシックスタイルのリビング。
地球産の四季折々の天然果実を摘み、含む、艶めかしい瑞々しさをたたえた口唇。
ソファに肢体を投げ出す美女の身を包むのはシルクレースで彩られた純白のネグリジェ。
ほっそりとした低身長の体とはアンビバレントな背徳の色香をこれでもかと漂わせる。
全てが大崩壊前の栄華を彷彿とさせる、天然素材で揃えられたこの空間を贖えるものは異星体といえど、この遊興惑星上にどれだけいるだろうか。ましてこの屋敷のすべてを思えば。
「クリエイター、あの子が無事、繋がりを得、目覚めました」
「そうね」
果実あふれるガラス器の傍にふと現れた身長60cm、新雪がごとき純白の髪に緋色の瞳を輝かせる人形の少女
「オーナーは予定通り、ナオという名の青年です。十の架空世界を超えども染まらず、堕ちぬ魂とはいえ、この現実では生まれたての赤子がごとき存在。わたくしをサポートに向かわせてはいただけませんか」
「だ~め」
「しかし……」
「この議論は何度もしてあげたでしょう? あなたの妹なら大丈夫。全ては可能性、魂の輝きを宿す導よ」
部屋の隅に控える楽団へ眼差しを向ける美女
意識を向ければ楽器を操る一団は皆、40㎝~150㎝とサイズはまちまちながら、いづれも見目麗しい人形たちであった。
「せめて、パトロンとしてのオファーだけでも」
「彼が輝きを示すならあるいは。でも今はまだ無理よ、足りない、足りないわ。この真実の世界でこそ、彼には成してもらわなければ。今はまだ見守りなさい、綾霞」
主の意向を受け楽団の奏でる曲調は一転、激しさを増し、勇壮な調べを奏でる
「でも、意外とその時は近いかもしれないけれどね?」
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