アリス封じられる
「やったわ!聖獣!手出しするとこの子を即殺すわよ」
どこから現れたのか数名の兵に守られたエレンがクリストフのそばに立ち、聖獣に向かって言い放った。
「よくやったわ。」
クリストフにほめるように口づけする。
「それをつけなさい、魔法で余計な事できないようにね」
クリストフが持っている魔力を封じる魔道具をアリスに向かって投げた。
「あ、姉上!僕大丈夫だから!そんなのつけないで。兄上!放して!姉上を守ろうって約束したじゃないか!」
クリストフは反応せず、空では竜が吠えながら旋回している。
「・・・ルイス。前の時もあなたは泣いていたわ。操られながらも必死で私を助けよとしてくれていたのね。そして今も。もう十分よ、ありがとう」
アリスは魔道具を手に取った。
「本当にルイスを解放するんでしょうね」
「ええ、もちろん。私は慈悲の聖女ですから。」
微笑むエレンにアリスは無表情で問いただした。
エルネストはとびかかる隙を狙っているが、クリストフがルイスを拘束しているうえに、兵に守られたエレンは魔法が使える。どちらかに襲い掛かっても道は開けない。
「目的は何?私の力を奪ってどうするつもり?」
「先につけなさい。つけたら話してあげるわ。」
「姉上!駄目!」
アリスは魔道具を自分の首にはめた。
「姉上・・・」
「アリス・・・」
エルネストは真っ青な顔で崩れ落ちた。これを覆せるとすればアリスだけだったというのに。
それを見てエレンは高らかに声を上げて笑った。
「ああ、長かった。あなたを探し出すのも、聖獣を見つけ出すのも」
「約束よ。」
「ふふ、そうね。今更何もできないのだもの。冥途の土産に教えてあげるわ」
エレンはそう言うなり、そばにいた兵の剣を奪うとアリスの体を貫いた。




