第56話〜全能感〜
「いい攻めだったが魔力の差がありすぎて転移時にバレバレだ。だから汝は魔力を均一にしようとするがあまりにも魔力を使いすぎるためそれは無理だ、そして我の攻撃をその瞬間移動でしか攻略できていないゆえ我の勝ちはもはや必然、諦めて死ね。」
確かにやつの言う通りだ、だけど潔く死ぬなんて諦めがはやい漢じゃねぇんだよ……
「魔拳、蹴流、速」
アスタロスが以前より速い最高速度で俺に攻撃してきた。
だけど俺はどこか勝てる気持ちが何故かあった。
思考加速はさっきから使っていたはずなのに何故か時が止まったかのような視界。そして溢れ出す力から得ている全能感。
強大な敵を前にしてなお笑顔になる謎の興奮、今まで閉ざされいた感覚が今解き放たれた。
俺の頭の中には何も無い空間があってそこに俺と敵が1人、
アスタロスが俺の正面に来た瞬間、《空》で迎撃する。
直撃だけで終わらせない……
魔神眼と精霊眼を駆使して未来視を数寸先だけだがよむ。
そして完璧にコントロールした虚空を吹っ飛ぶ場所に発動させておくそれを繰り返す。
今の俺は誰にも負けない……そんな全能感が俺には備わっていた。
少し経つと俺の視界が暗くなり、次に光を取り戻した時には、アスタロスの体がボロボロになって攻撃に使おうとした脚はどちらとも消滅していて胸より上しか体が残っていなかった。
ゆっくりに見えていた視界が通常の速度に戻りそれと同時に思考加速も解除された。
俺は魔力を使いすぎたのか膝をついて起き上がれなくなった。
「な……ぜ、な……んじに、……そこまでの……ちか……」
俺は答えるだけの力がなかった。
「何故だ、何故だ、私の契約した悪魔が劣等種ごときに……」
"契約者、アガレスに我の全てを託す"
アスタロスの体が球体になり身を潜めていたアガレスの元へ、その球体はアガレスの心臓へ移動し今、アガレスと魔力が同調し始める。
「貴様ら、生きて帰れると思うな……?」
「あれ……?」
魔力が同調して魔力がアスタロスよりも多くなったと思ったが、声をあげた瞬間アガレスの体が崩れ初め、もがき苦しみだした。
許容限界か、強大な魔力に耐えれなかったのだろう。
「おのれ……今の俺には貴様は殺せないだろうな。」
「でも、この方法なら」
「我が魔力、魂を贄に捧げ、契約する……愚か者どもに裁きを、来たれ冥界の番人、開け冥界の門、冥界門開放!」
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