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スキルVS魔法

「本当にこれで終わらせてやる! 赤フードの冒険者!!」


 タルクは焦ったように咆哮する。

 自分の強さが揺らいでいくのがわかるのだろう。


 そして、彼の杖から多数の魔力が放たれ、さっきと同じように雷撃魔法が私を襲った。

 しかし。


 雷撃魔法は私の身体に到達した瞬間、霧散した。


「…………は?」


 タルクは目を見開いて、力なく呟いた。


「雷撃魔法はもう効かない。あなたの負けよ、タルク」


「そんなはずはないッ! 僕は最強の魔法使いとして作られたんだ!! 攻撃魔法なんて、この世界でも使える人間が限られたすごい魔法なんだぞ!!」


「で、そのすごい魔法は結果どうなった?」


 私の冷たい言葉にタルクは激昂する。


「雷撃に対して、何か対策したんだろ!! なら、《炎上》で燃やし尽くしてやるよ!!」


 魔力を身にまとい、瞬間移動の魔法を使用したタルクは私の目の前まで一気にやってくると、近距離専用の《炎上》魔法を発動する。


 それでも。

 

 私の全身から火が出る。

 タルクは嬉しそうな表情を浮かべたがーー。


「全然効いてないわよ。フードだって燃えてない」


 火が出たのは一瞬のことで、本格的に炎上する前に消えてしまった。


 ……本当のことを言うと、『魔法耐性Ⅴ』だけでは熱さを完全に押さえきれていなかったのだが、すぐに『炎上耐性Ⅹ』の適正が出たので、取得したのだった。


 こうやって、少しずつスキルを取得していけば、魔法をほとんど受け付けない身体になることができるだろう。


「……なんで」


 目の前でタルクは泣きそうな表情を浮かべていた。


「……なんで、僕の魔法が効かないんだ?」


「安心して」


 私はそんなタルクに少しだけ優しい声色で、


「ーー誰の魔法でも同じことになっていたから」


 それだけ言うと、強化した右拳をタルクの腹部にぶち当てる。


「……ぐぁっ」


 防御魔法というものは存在しないのか、それとも発動が間に合わなかったのか。

 タルクは拳の直撃を受けて意識を失い、その場に倒れた。


 ビッグも戦いが終わったことを悟って、上空から私のもとへと下りてくる。


「ありがとう、ビッグ。助かったわ」


「きゅー!」


 ……これで、魔法との戦いも今後は楽になるだろう。

 だが、まだこれで終わりではない。


 ベルドロール家から、魔法に関する危険な技術を取り上げなければならない。

 そのためにはまず、ベルドロール家の当主バルゴ・ベルドロールの拘束が必要だが……。


「あれ?」


 私が中庭から応接間に戻ると、バルゴと黒装束の連中は消えており、エルバルク家の護衛二人だけが倒れていた。


 嫌な予感がする。


 私は重傷を負っている護衛二人を医療所に連れていってもらうよう、ビッグにお願いすると、バルゴを探すため、ベルドロールの屋敷の中へと走っていった。

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