一つの仮説
市場の見回りをしていた冒険者たちは、グラズ家の魔法アイテム市場を見にいってから消息を絶っている……。グラズ家が透明化鉱石の採掘を行っていたことと関係があるだろうか。
「冒険者たちがいなくなった日にちを教えてもらってもいいですか?」
受付のお姉さんは何か考えているような表情でリンに聞いた。
「えっと、それは確か……」
リンが日付を伝えると、お姉さんの目つきが鋭くなった。
「ちょうどその日から、いくつかの店が荒らされる事件が発生してますね」
「その事件なら、私の方にも報告が来ています。でも、金品が目当てではなさそうなんですよね」
「立て続けに城下町で事件……でも、その二つの事件に関連性は今のところない、か……」
受付のお姉さんはうーん、と悩む。
だが、私の中にはある仮説が出来上がっていた。
冒険者たちは姿を消した日、グラズ家の魔法アイテム市場に足を運んでいた。
そこで採掘された透明化鉱石に何らかの形で接触。
姿を消されてしまった彼らは混乱し、自分の存在を示すため、もしくは姿が消されたことで買うことができない食べ物などを手に入れるために、仕方なく店を荒らした。
そんなところだろう。
彼らの存在は数日経過したことで消えてしまったかもしれない。
私もどうにか手を打たないとまずい。
とにかく、まずは目の前のリンとお姉さんに透明化鉱石のことを教えなければならない。
私は何かいい方法がないか考えて、一つの案を思いついた。




