表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/102

草原の地下ダンジョン

 かなりレアな透明化したモンスターと、縄張りを追われて街道沿いまで逃げてきた肉食獣たちに関係がないとは思えない。


 私は『痕跡探知』を発動する。


 さっきはたくさんある動物たちの痕跡の中からどれを調べればいいかわからなかったが、今は透明化したモンスターの足跡に絞ることができた。


 いくら身体が透明でも、足跡まで透明なわけではなく、しっかりと地面に残っていた。

 私が幽霊と戦っていたわけじゃないことはちゃんと証明されたわけだ。


 私は足跡を追って、街道から外れ、草原の中へと進んでいく。


 すると、足跡は草原の真ん中の地面にぽっかりと空いた穴に繋がっていた。

 階段が作ってあり、斜めに降りていけるようになっている。


 穴の中を覗くと、しっかりとした石材で作られた通路が伸びていた。


「こんなところにダンジョンが……」


 ダンジョンとは過去文明の遺跡のことを主に指す。

 そのため、この前の洞窟などは狭義のダンジョンからは外れている。


 ダンジョンを目にすること自体、久しぶりだ。


 人間があまり立ち入らないという性質上、モンスターの巣となっていることが多いので、ギルドへのダンジョン内モンスター掃討の依頼は多い。


 が、一匹一匹は弱くても、モンスターの数が大量の場合が多いため、その手の依頼は中堅以上の冒険者パーティーに任されることがほとんどだ。


 私みたいな一人行動ばかりしている冒険者には、まず回ってこないタイプの依頼だった。


「とりあえず、入ってみないと原因はわからないよね」


 私はポケットから、この前の洞窟でも使った対象追尾型魔法照明を取り出す。


 ちなみに魔法は希少なものといったが、このアイテムのようにごく小規模な魔法が内蔵されているものは市販にも流通している。


 あまり交流のない大きな貴族家が得意としている魔法工業によって、独占的に大量生産されているものがほとんどだ。


 今度、魔法アイテムの生産工場を令嬢モードで訪ねてみて、魔法に触れ、何かしらのスキルを取得できないか試してみるのもいいかもしれない。


 ともかく、照明は確保した。

 私は冷たい印象がするダンジョンの通路へと足を踏み入れていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ