ランガ山道のモンスター
「赤フードさん! またお金になりそうな依頼が!!」
冒険者ギルドの建物に入った瞬間、カウンター越しに受付のお姉さんが目を輝かせて飛んできた。
最近のお姉さん、どんどんお金に目がくらんでいっているような……。
私はといえば、相変わらず報酬金は全て貯金している。何かに使えればいいのだけれど。
ひとまず、お姉さんの話を聞くことにする。
お金になりそうな依頼、というと聞こえが悪いが、それほどの報酬を積んでもいいと依頼者が思うくらい困っている状況と考えることもできる。
「それで、今度はなに?」
「今度はですね、少し遠いんですが、隣国との国境付近のランガ山道に最近、超大型の鳥類モンスターが住み着いて、貿易商が困っているみたいなんです」
「貿易……もしかして、ヤーク家が絡んでる?」
「お、赤フードさんは戦闘だけじゃなくて、上流階級の世界にも詳しいんですね!」
私は普段、その世界で暮らしていますから……。
「ご推察の通り、ヤーク家傘下の貿易商が相次いで狙われています。荷馬車を襲われ、商品が全部ダメになったとか」
「アルメダが悩んでたのはこれかぁ……」
「へ? 何か言いました?」
「いや、なんでもない」
ヤーク家、つまりアルメダの実家周りの商人たちがやられている。
それを何とかして欲しいという依頼というらしい。
つまり。
「依頼主はヤーク家?」
「はい! ヤーク家のご令嬢、アルメダ・ヤーク様からのご依頼です」
なんとアルメダ本人からの依頼だった。だが、何となく引っかかるところがある。
「そのランガ山道を使う商人は他にいないの?」
「いえ、そんなことはないと思います。行商人の間では有名なルートですから……ん? あれ、でも他の商人たちからはそういう話は聞かないですね」
となると、ヤーク家の商人だけが襲われている……?
「わかった。その依頼、引き受けるよ」
なんだか気になった私はその依頼を引き受けることにした。




