嘘
(なんでこのなマナがリストに載ってるんだ…?)
「どうしたんだい?いきなり不安そうな顔になって…」
「へ!?い、いや大丈夫ですよ」
(やばい…表情に出してはダメだ。ここは冷静に…)
おばあさんが話しだすと冷や汗が止まらない。
こんなにも不安になったのはいつ以来だろうか…
「とりあえず…このリストの中で一番若いのは…マナっていう子だね…」
(なぜよりによってそこに目をつけるんだよ…)
「シオンと同い年ですね…こんなにも若いのに…後継者なのか…」
男は少し心配そうな顔をした。
「あんたまさか情なんてかけてるんじゃないだろうね?」
「そ、そんなものかけてるわけないじゃないですか!」
おばあさんは男をじっと見つめたあと「まぁいいや」と言いこちらを向き話し始めた。
「あんたのために自己紹介でもしようかね
私は貧困層グループでこの地区を取り仕切っているローヅ、みんなからはボスって呼ばれているわね、そしてこの大男の名前は」
男がこちらを向いた。
「つよしです
先程は本当にすまなかった、」
男が深々と頭を下げた。
(一応悪いとは思っているんだな…)
「大丈夫ですから頭を上げてください…」
つよしが頭を上げたのを確認してローヅが話し始めた。
「まぁとりあえず座りな、一応ここはバーだからね
あんたはみた限り…未成年だね、
お茶でもいいかい?」
「はい」と言い席に座るとローヅはお茶を出してくれた。
「あんたも何か飲むかい?
リスト待ってきてくれた報酬だよ」
後ろに立っていた女は「サンキュー」と言いながら俺のとなりに座ってきた。
「ふぅーリスト作るのも一苦労だったなぁー」
ローヅは準備をしながら言った。
「ありがとうねぇ
…あーそうだ一つ聞きたいことがあるんだけど…」
その瞬間つよしは女の後頭部に銃を当てた。
(ほ、本物!?)
「あんた…だれだい?」
ローヅがそう訪ねると女は笑った。
「さすがボスと言われるだけあるね…
すごいなぁ!!」
つよしは女にたいして聞いた。
「情報屋をどこへやった!」
「…あーあのこは…少し痛め付けたらすぐにここの情報を吐いたよ…」
そして女は録音機を取り出した。
「…でーボスに言いたいことはあるかい?」
女の声が聞こえたあと情報屋の泣き叫ぶ声が聞こえた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」
「…それしか言えないの?」
その後銃声が聞こえて沈黙が続いた。
「…お前…情報屋を殺したのかぁ!!!」
つよしは怒りのままに銃を撃った。
しかし女はそれを避けてつよしの頭を蹴った。
「つよし!!!」
ローヅがそう叫んだ間につよしはたおれこんだ。
そしてすかさず女は銃を撃った。
「はぁー大男でこれとは…貧困層のグループも衰退したなぁー」
「バカやろー!!」
ローヅは女をめがけて銃を撃ったがそれは外れてローヅの頭は撃ち抜かれた。
ローヅはたおれこんだ。
「…」
俺は座り込んだ…というか恐怖で動けなかった。
そうしてる間に女は俺に銃をむけた。
「座り込んでても何も始まらないよー」
「に、逃げないと…」
そして逃げようとすると「どこへ行くんだい?」と女は言った。
「逃げ場なんてないよ…」
そして俺の足を撃った。
「痛い…」
歯をくいしばった。
だけど痛みは引かない。
誰かこの痛みを…
無くしてくれ…
「ありゃりゃ、もう動かないのかい?」
女は俺の髪を引っ張り頭を上げさせた。
「早く…僕と戦わないと…死ぬよ?」
女は俺の頭に銃を突きつけた。
「どうする?」
…無理だ。何も出来ない…でもなぜか…勇気はある。
彼女のために…生きなければ…
「殺してみろやぁぁぉあ!!」
「はぁ…やっぱり死ぬ前の人間が吠えるのをみるのはいつまでも最高だよ…」
(パァン!!)
体に力が入らない…死んだのか…
…?誰かと話してる?
「やったのね…」
「はい…あなたの見かけ通りですよ
この男は強い勇気があります」
女は俺に近づいてくる…
「…短い間だったけどありがとね…」
「…マサ」
(何でマナ人の声が聞こえてくるんだよ…)