進展
あの日からマナとは挨拶をしあう程度の関係となった。挨拶をしてくれるだけまだマシな方なのかもしれないが…
そんなことはどうでもいいが、マナが付き合っている男とはどんなヤツなのか…一度でいいから会ってみたい。
これはフラれた恨みとかではなくて、ただただどんなヤツかを見てみたいという好奇心があるからだ。
少しだけマナを尾行してみた。
(これはあくまでストーカーではない。ただ彼氏を見に行くだけだ。)
そう自分に言い聞かせながらマナのうしろをついていった。
するとあるところに辿り着いた。
そこは予想もしないところだった。
「嘘…だろ?」
そこは元男子ラグビー部の部室であり、今では不良が勝手に居座っているところだった。
まさか…はいるわけじゃないだろうな…
そっと物陰に隠れながらみているとマナはドアノブに手をかけた。
(マナの彼氏は…不良!?)
そんなことを考えているといろんな説が頭のなかを飛び交い、頭がパンクしそうな寸前になった。
心臓バクバクでそのようすを息を殺しながらみていた。
(ドアノブを捻ってなかにはいっ…)
「なにしてるの?」
「うわぁ!!」
「…?」
マナはおれのこえに気づきうしろを振り向いたが咄嗟に物陰に隠れたのでばれることはなかった。
……
俺はあの出来事が忘れられず、少しがっかりしながら下校しているとシオンが走ってきた。
「一緒に帰らない?」
「あぁ、いいよ」
シオンの声を聞くとあの瞬間を思い出す…
「もうあの時みたいにいきなり声をかけてこないでくれ…
心臓止まりそうになったんだから…」
「ゴメンゴメン…」
あの時にいきなり声をかけてきたのはシオンだった。
なにやらとなりの高校から転入してきたらしい…この世界では何でもありなのだろうか…
結局マナは不良の溜まり場に入っていった。
それを見届けて教室に戻った。
その事をシンヤにいうと笑われた。
その瞬間にシンヤに今までの全てをぶつけたくなったが…まぁ、なんとか抑えれたが…
そんなこんなで今はシオンと二人で帰っている。
「あのさ…」
シオンはまたあの日のときのように自分の手を握りしめた。
「今から…遊びに行かない…?」
「…え?」
それから毎日のように遊んだ。
そのお陰でだんだんとシオンのことを知ることが出来た。
そして、いつも行っていたカフェのときに話された。
「…どう?もうマナさんのことは忘れることが出来た?」
「…あ」
本当に忘れていた。
…忘れることが出来ていた。
少し…嬉しかった。
「あの時の返事…もう聞いてもいいかな?」
「…そ、それは…」
もうシオンのことが好きだ。
しかし…
「ごめん…それはまだ…」
そう言うと意外な返事が返ってきた。
「うん…わかった」
シオンは笑顔で言ってくれた。
「待ってるね…!」
そして、俺はシオンとは別れて家に向かった。
(なぜ…俺は…決めきれなかったんだ?
まだ…マナのこと…)
空を見上げた。
「もうすぐ日が落ちるのか…」
(公園に行けばあの夕日がみれる時間帯だなぁ…)
これからなにかする用事などなかったため、公園に行った。
公園に入ると一人の女性が立っていた。
…マナだ。
「……マナ」
ボソッと呟くとマナは振り向いた。
「マサ?」
「ご、ごめんね…なんか一人の時間を邪魔しちゃって…」
「ぜ、全然!別にボーッとしてただけだし…」
一つ一つの間が気まずさの象徴のようなものとなり、心臓がバクバクしていた。
「あ、あのさ…」
そう言いかけるとマナが食い気味に言ってきた。
「最近…となりの高校からきたシオンちゃん…っていう子と仲良くしてるみたいだね…」
「え、?」
なんでいきなりそんなことを聞いてくるのかはわからなかったが咄嗟に反応した。
「う、うん!そうだよ」
少し間を開けたあとマナは話し始めた。
「もうシオンちゃんとは関わらない方がいいよ…」
「なんでだ…?」
マナの顔が曇った。
「それは…まだ言えないけど…」
何の理由でなのだろうか…
「でも…あなたは…きっと後悔する…
あの子といると…」
その発言を聞いて腹が立った。
「会ったこともないのに…よくそんなことがいえるな…!」
「…」
「彼女はこんな俺にも優しく接してくれる良い人だ!!マナの方こそ不良と付き合って…
そっちの方が悪い何て言えるな!」
「…それは…私は風紀委員だから!
不良のひとを注意してるだけで…親しい繋がりとかそんなのはないよ!!」
(と、とんでもない勘違いしてたー!!!!
は、恥ずかしい…穴があったら入りたい!!
というかもう自分から掘って隠れたい…
もう、この場から離れたい!!)
「ご、ごめん…勘違い?…してたみたい
本当にすまん!!決してマナのことを悪くいうつもりなかった!!」
マナは首を振った。
「そんなこと無いよ…私も理由もなしにあなたの…その…親しい繋がり?…あるなかわからないけど…
まぁ、その人のことを悪く言ったのは私が悪かった…こちらこそごめんね…」
そして、顔を見つめ合うと二人で笑いあった。
その後、ブランコに乗りながら二人で話し合った。
そのなかでわかったことは、
マナには兄が一人いて、兄はもう、働いていて会社ではエリートと呼ばれる存在らしい。
マナは兄のはなしをしているときは自然と顔が微笑んでいたので、それほど兄のことが好きなのだろう。
「やっぱりマサと話してる時間が一番楽しいかもしれない」
「それはそれは…どうも」
そして、もう辺りは暗くなったので返ることになった…。
そして、マナに別れを告げようとした瞬間…
「痛!!」
体に雷が落ちたような衝撃が走った。
「…マサ!!」
意識が遠退くなかでただ、マナの声だけが聞こえてきた。
やっとたどり着いた…明かりの灯る…
「…バー?」
少しは躊躇した。
しかし、中に入らないと何も進展しないのでとりあえず入った。




