ある日のマリア先生
私は、マリア。
旧姓は、マリア・フォン・ランドル。
これでも南大陸のランドル公国の何番目かはわからないけど、元皇女にして、
稀代の大天才、マリア・フォン・ランドル。
いまは、世界一小さな国アークレッドで、大国リオンの未来の王配教育してるコンタと、ラブラブ新婚生活中。
私もはやく、可愛い可愛い私の天使達に負けない天使授かりたいなあ、
なんて言ったら、コンタは顔を引きつらかせた。
ーなんで?
まあ、いま、私が困ってるのは卒業論文のお題。
リーナが世界一の万能調味料、メンツユの作り方について。
セレナがお願いすれば天気は大丈夫と言う謎な自信に基づく論文。
レオが外洋の怪獣には、海竜王の息子を使えば簡単って短い感想文。
マークが古代に生息したサナダムシね発掘にあたり、未知の生物をあっさり発掘解明したけど、お目当てのサナダムシはいなくてガッカリだとかね、
私の斜め上を行く論文。
ちなみに、ウィルは、飼ってる羊が赤ちゃん産んだ論文。
一見、平和な論文だけと、
…なぜ最後にヤーガバーバーに預けたの?
羽が生えて三回りでかい羊って、
悪魔よ、あなた?
もう、なんか、卒業論文どうでもいいわ。
あら、いい考えね。
「だからって、全員、留年させんなよ」
げんなりコンタに止められたわ。
ーいい考えだと思ったのに!