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46 生活習慣改善指導 高血圧編

今回の新しい登場人物。名前だけの人も含めて名前の最初にム又はムシをつけると……。

はい。今回も名前で遊んでいます。

 高血圧について説明するために、一旦計測器具を片付けてお茶を入れ直した。

 もちろん、コナーズさんは白湯だ。


「では、高血圧について説明しますね。」

「お、お願いします……。」

「あ、そんなに緊張しないで下さい。すぐに薬を用意しますし、それを飲んで生活習慣に気を付けていけば、そうそう倒れるような事にはなりませんから。」

「そうなんですか!?」

「はい。……むしろ、今興奮されると血圧が上がって怖いので今はとにかく深呼吸して落ち着いてください。」

「は、はい!」


 緊張しきった顔のコナーズさんに興奮しないように言うと、更に心拍数が上がっていそうな顔になってしまった。

 とにかく白湯を飲ませて深呼吸をして、落ち着いてもらおう。



 コナーズさんが白湯を飲んで、はぁー……と息を吐いたところで説明を開始した。


「高血圧とは、血液を送り出すポンプの役割を担っている心臓が、常に力強く稼働している状態の事です。」

「心臓が力強く……?」

「これだけ聞くとあまり怖いと思わないですよね。……本当に恐ろしいのはここからです。高血圧は血管に負担をかけます。そして生活習慣によって、血液の状態が良くないと細い血管が詰まってしまったり、血管自体が硬くなっている場合があります。そこに高圧力がかかると……。」

「ご、ごくり……。」

「血管が破裂する可能性があります。」

「ひぃ……。」

「恐らく、コナーズさんが二回倒れたのもこの血管が破裂したから、だと思われます。」


 想像してしまったのだろうか。コナーズさんの顔色が宜しくない。……赤ではなく青い方の顔色なので、血圧は少し下がったかもしれない……と言う冗談はやめて、私はコナーズさんに白湯を飲むように促した。


「高血圧の怖さを知ってもらったところで、生活習慣の改善を提案したいのですがよろしいですか?」

「はい!」


 では、生活習慣改善指導をしていこう。


「まず、食生活についてです。お肉ばかりの食生活は血液をドロドロにしてしまいます。バランスの良い食事を心がけて欲しいので、野菜、魚を今よりも多く摂るようにしましょう。特に、皮が青い魚は血液をサラサラにする油を多く含みますので、タンパク質を摂るなら、肉よりも青い魚を選んで欲しいです。」

「野菜、魚ですね……。」

「僕が父ちゃんに食べさせるよ!」

「心強いなぁ……ははは。」


 野菜と聞いて顔を引きつらせるコナーズさん。シューダ君の方がやる気満々だ。お父さんにしっかりと野菜を食べさせてあげて欲しい。


「次に、塩分ですね。塩分を摂り過ぎると、血管が硬くなります。血管が硬くなると、圧力がかかった時にその圧力を逃す場所が無いために破裂、という最悪の状態になってしまいます。ある程度の塩分は生きるために必要ですが、摂りすぎは良くありません。一日にスプーン一杯分くらいまで減らしていきましょう。」

「スプーン一杯……。」

「ソースやドレッシングも塩分が入っていますので、そこも入れて計算して下さいね。」

「そ、そんな……それじゃぁほとんど味付け無しじゃないですか?」

「塩の代わりに味にアクセントをつけてくれるものはいくつかあります。レモンや胡椒、ハーブも良いですよ。」

「な、なるほど……塩じゃない味付けをしていかなければいけない、という事ですね。」


 塩を減らせ、と言われたコナーズさんは味気ない食事を想像したのか、絶望していた。

 でも、塩以外にも味付けは色々あるのだ。塩味の代わりに酸味や辛味を使えば良い。ニンニクやショウガ、胡椒やトウガラシ、ハーブだって色々な種類がある。

 むしろ、全て塩味なんてつまらないだろう。


「食事は、バランスの良い食事と塩分に気をつける。後は水分はよく摂って下さいね。体内の水分が少なくなると、血液がドロドロになりますから。」

「ひぇ……はい。」

「次に気をつける事は、睡眠とストレスです。……と言っても、ストレスはそう簡単に防げるものではありません。ストレスは解消していくようにしましょう。睡眠不足は生活習慣を見直して下さい。」

「睡眠とストレスですね。……ストレスが溜まっているというのはなんとなくわかるのですが、解消とはどのようなことをすれば良いのでしょうか……?」


 聞けば、コナーズさんは荷物配達業の事務員なのだそうだ。毎日、荷物が届いていないだの、明日の朝早くまでに届けろだのと、無理難題を言ってくる客に辟易しているらしい。……うん。古代人の本でいう、ストレスマッハってやつだろう。


「ストレスの発散には、自分の好きなことをする、というのが一番です。自分の趣味に没頭するのは良いと思います。ただ、爆食はダメですよ。体を思いつつ、好きな事をして下さい。私のオススメは静かな公園をゆっくり散歩したり、人目にあまり触れない隠れ家のようなカフェでのんびりしたり……ですかね。」

「なるほど。」

「僕、父ちゃんと散歩する!」

「シューダ……。ありがとう。」


 シューダ君のやる気に父親のコナーズさんだけでなく、ご老人ズもニコニコとしている。


 自分一人だけでは生活習慣を変えるというのは大変だ。薬を飲み続けて高血圧の恐ろしさが薄れていくと、気が緩む。そしてつい……や、ちょっとだけ……という気持ちから生活習慣が乱れていく。

 でも、シューダ君が協力してくれるならきっと続けられる。どうか頑張って欲しい。


「では、私は降圧薬を作ってきます。このままゆっくりとしていて下さい。あまり急に動いたり、興奮しないように気を付けて下さい。」

「はい。お願いします。」



 師匠が手入れをしている薬草園の薬草だけでは降圧薬は作れないので、市場で仕入れた薬草も使って調薬していく。


 血圧を下げる薬は、一緒に血液をサラサラにする薬も服用する。

 血圧だけ下げても、血管内の血液がドロドロだと末端の細い血管まで血液が行き渡らなくなってしまうためだ。

 コナーズさんは特に肉食らしいし、血液はほぼ確実にドロドロだろう。血液をサラサラにするのは必須だ。



 お店側ではご老人ズとコナーズさんシューダ君親子の和やかな会話が続いていた。

 その様子を手元に集中しながらも、何とは無しに聞いていた。



 あと少しで完成というところで、会話の内容が少し真剣味を帯びたものになった。


「しょれにしぃても、坊やは良く動けたにょー。」

「ほんにのー。助けを求めに行くのも怖かったのではないかいのー?」

「うん……。とっても怖かったよ。でも、一回目の時は本当に何も出来なくて……父ちゃん死んじゃうんじゃないかって考えしか頭に無くなっちゃって……。その時はコーロリさんとか他の近所の人がいてくれてなんとかなったんだ。でも僕、その時に思ったんだ。みんながいてくれたから大丈夫だったけどもしその時僕一人だったら、父ちゃんは……。だから、次はちゃんと動かなきゃって考えてたんだ。本当は二回目も起きて欲しくなかったんだけど……。」

「……ほっほぅ、坊やはきちんと反省して、次に活かせたんじゃな。偉いぞ。」

「うん。ちゃんと動けて良かった!それに、次はもう無いでしょう?お姉さんの薬飲んだらもう倒れないよね?」


 こんな小さい子が今回、的確に動くことが出来たのは、一回目で気が動転してしまった事を反省していたからだったのか。


 薬を飲めばそう簡単に倒れるような事はないだろう。でもそれだけじゃダメだ。

 私はお店側に薬を持って向かいながら、シューダ君の問いに答えた。


「絶対はありません。薬を飲んでいても、血圧が急激に上がってしまう事はあります。それに、薬は体にとって異物です。異物を飲むことによる負担もありますから、薬に頼るだけではダメなんです。一番は薬に頼らなくても血圧が下がった状態を保てるように生活習慣を変えていく事なんですよ。薬はそれまでの手助けしか出来ません。生活習慣を変えて健康になるには、シューダ君の協力がとっても必要です。」

「うん!僕、頑張るよ!」


 もしかしたらシューダ君は今言ったことの半分も理解出来ていないかもしれない。そこはコナーズさんに向けて言ったようなものだから構わない。一番聞いて欲しかった、シューダ君の協力がとっても大事だという事だけ伝わっていれば良い。


 五人が座っているテーブルに着いて、薬をコナーズさんに説明していく。


「今日の夜の分は今飲んでもらって、明日から朝と晩、出来るだけ決まった時間に飲むようにしてください。」

「はい。ありがとうございます。」

「いえ。生活習慣の改善、頑張ってくださいね。」


 コナーズさんはしっかりと頷き、シューダ君はそれを見てとても嬉しそうにしていた。

 そうして親子は手を繋いで、来た時と同じようにゆっくりと帰っていった。




 そんな出来事があった数日後から、街にいくつかの噂が広まっていった。


 ーーー治療院を見下す薬師がいるらしい。

 ーーー治療院の処置に文句を言っていたそうな。

 ーーー薬に中毒を起こす毒を入れて、その薬なしじゃ生きられないようにする恐ろしい魔女がいる。

 ーーーとある薬師は人族の国で問題を起こし、死刑を言い渡されてこっちに逃げてきた、犯罪者らしい。

今回のどうでもいい薬の話?は高血圧についてです。


私の母は高血圧なのですが、病院で薬を処方される前、高血圧の症状が出て病院に行った時に測った数値は上が220になっていたそうです。

その高血圧の症状は目の前に星が見えた、との事です。目の前がめっちゃチカチカしていたそうです。更に、メニエール症候群というじっとしていても目の前がぐるぐる回っているかのような目眩と、それに伴う吐き気を起こし、救急病院へ行った経緯があります。


普通に高血圧だけならば、あまり自覚症状はありません。なので、病院に行ったりした時は測ってみたほうがいいです。お家に血圧計があればそれが一番良いですね。健康診断に行くと必ず測りますので、心配な方は一年に一回は健康診断を受けるといいと思います。


本編でも書きましたが、塩分は血管を固くしてしまいます。

血管が硬くなると、どのような変化が起こるのか……と言うと、血圧の数値に違いが現れてきます。


血圧には最高値と最低値があります。

これは、血管の柔らかさを表しているんです。最高血圧の時は外から圧迫して血管を締め付けます。そこから緩めていって、血管が元に戻るまでの圧力の差を測っていますので、その差が広ければ広いほど、血管が収縮、拡張する柔らかさがある、という事なんです。

大体ですが血圧の最高値と最低値の差が30くらいあるのが普通です。……数値はうろ覚えなので、もう少し狭いかもしれません。orz


血圧を測った時にそういう数値の差というのも確認してみて下さい。

塩分は生きるために必要なミネラルですので、摂らなすぎるのも良くないです。特に体を動かして、汗をかく仕事をしている人は、とっても大事です。ただ、自分は動くから……と言って塩分を摂り過ぎないように少し気を付けてみてください。


血圧を下げるお薬は、完全に病院、薬剤師さんの分野です。私はあまり詳しくないので、本編ではボカシ気味です。

血圧を下げる薬や、血液をサラサラにするお薬を出されている方は、軽い風邪だとしても市販薬ではなく病院で診てもらった方がいいでしょう。


血圧の話は以上です。



今回の話では、シューダ君が必死に助けを求めて走ってきたから助かった、というものでした。

実は前話と今回の話の間で、私の夫が失神して家でぶっ倒れるという事件があったんです。


朝、私が先に起きてお弁当を作ったりしていました。

後からぼーっとした顔で起きてきた夫はそのままトイレに向かって行きました。

少ししてガチャン!ガンッ!ドンッ!という大きな音が聞こえてきたんです。

いつもなら絶対に聞こえないような大きな音で、びっくりして見にいくと、夫が仰向けで倒れていました。


私はとんでもなく取り乱し、とりあえずいびきっぽくなって呼吸がしづらそうだという事で軽く頭を持ち上げて、何度も名前を呼びかけました。

呼吸をしているのに心臓が動いているか確認しなくちゃ!と、焦って耳を夫の胸に当てたりするのですが、焦り過ぎて何も聞こえない。

とにかく名前を呼ぶくらいしか出来なくて焦りまくりましたが、数十秒もすると夫は目を覚ましました。


次の日には病院に行ったのですが……何やら怪我をしていたらしく、朝の低血圧の状態で不意にその怪我を発見して血を見て失神しただけだったという事でした。


その後数日も私は気が動転しまくっていましたが、最近やっと落ち着いてきました。


こんな体験をして思ったのです。小さな子供が、いきなり自分の父親が倒れた時、助けを求めに走り出せるだろうか……と。

なので、後半にシューダ君の心境を少し書かせていただきました。


私も、次は……二回目はもっと的確に動けるようにイメージトレーニングしています。……出来ればもう二度と夫が倒れている姿なんて見たくもないですけれど。

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