第98話 まずは3合目に神殿を作ろう
「必要な物は揃えてあります」
街の外の広場にドラゴ大神の像や、古代の戦いのレリーフ、神獣の置物。
それに、どでかい看板。
「ほかにもいろいろとあるんですが、まずはこれくらいあれば参拝を始められます」
残りは私が造るってことですね。
まぁ、そんなところでしょう。
今回つくるのは、神山3合目の参拝用の神殿。
大きなステージがあって、そこに青龍さんが鎮座できるというもの。
「この設計図どおりできて、青龍様が下りてきてくれれば、きっとすごいことになりますよ」
すでに寄付がたくさん集まっているらしく、前に会ったときより数倍元気になっている。
まぁ、龍神様の信者が増えるのはいいことだけどね。
「もしかして、今日中に完成してしまうとか?」
「えー、その予定ですが、何か問題が?」
「いえいえ。ありません。よろしくお願いします」
神殿というのはシンプルな作りになっている。
太い円柱状の柱が全部で24本で屋根を支えている。
壁はない。
決められた場所に像やらレリーフやらを設置して完成。
「それじゃ、いきますか」
像とかは魔法で浮かせて運んでいく。
神殿づくりに材料は現地調達だ。
青龍さんに青石を使うことの了解はもらっている。
「どんな神殿になるか楽しみです」
わくわくした表情の大神官さん。
うしろから、部下の神官が10人ほどついてくる。
ぞろぞろとついてくる。
役には立たないけど、邪魔しないように言ってあるから大丈夫だ。
しかし、神官っていう人たちはどうも暗いから苦手だ。
「さて、ついた。ここが建築予定地だ」
ちょうど、なだらかな斜面になっているから、ここを少しけずって敷地を作ろう。
方向的にまっすぐ街を見下ろせるように。
大きさは幅40m、奥行き25m。300坪って感じで造成する。
削った土を前にもってきて、盛り上がるようにする。
土の表面は少し岩石化しておいて崩れるの防ぐ。
「できた。あとは、用意してあった青石と岩石を砕いたのを使えばいいね」
既に青石は集めておいて、1か所においてある。
その青石を薄く切って、薄い石板にする。
表面は青石を張り付けるようにしていく。
それも、龍の鱗をモチーフにして。
「さて、建築スタートだ」
設計はすでに完成してセラミック板に記録してある。
その設計通りの形に岩を砕いたものを積み上げて、青石を表面に貼って硬化させていく。
まぁ、最初に魔力で材料に指示をあたえれば後は自動的に動いて完成する。
「できた。なかなか、いい感じだねぇ」
「早々に造っていただいて、ありがとうございます」
「ね。ご主人様。龍神の巫女舞を踊っていいですか?」
「そんなの知っているの?もちろん、いいとも・・・あ、大神官さんに聞かないとね」
あくまで神殿の持ち主は大神官さんになる。
勝手なことをすると怒られる。
もっとも、怒られたら龍神様を呼び出しちゃえば大丈夫だと思うけど。
「おおおーー。もしかして失われた巫女舞ではないですかっ」
その巫女舞は爺に教わったとのこと。
古くから巫女の一族に仕えた家族だからこそ、知りえたものだろう。
「それでは、ドラゴ大神の御魂を呼ぶときにお願いしましょう」
すでに、大神官さんの頭の中には、いろいろとスケジュールが組まれているらしい。
だんだんと龍神さんに関わりが増えてくるなぁ
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