第95話 メイドさんを探してみた
「爺の話は分かった。どこにいるのか、わかっているの?」
「えっと、たぶん分かります」
『愛の天使』経由で連絡はとれる可能性が高いみたい。
「では、同時にメイド探しもしていこう」
メイドとして雇うのはもちろん女性だけ。
それも15歳から20歳まで。容姿端麗で、お仕事はそこそこできること。
「そこそこじゃダメですよ」
「えっ、だって、そんなに仕事ないんじゃない?」
「そんなことないです。きっと」
そうなのか?
よくわからないけど、そうらしい。
「だけど、容姿端麗は外せないぞ」
「どうして?」
どうしてって。
メイドさんの一番価値はそこでしょ。
「これから作り上げるわが家にふさわしい美貌を必要とする」
「はぁ」
ミントには伝わらないか。
だって、メイドさんですよ。かわいくないメイドなんていらないし。
「もしかして、ご主人様。メイドから側室とか考えていますか?」
「えっ、そんなこと。だいたい側室どころか正室もいないし」
「そうですよね」
美しくてかわいいメイドさんに囲まれる生活という男の美学はしょせん女には理解されないものさ。
「まずは、メイドさんをあっせんしてくれる所へ行ってみよう」
歩いて10分でメイド斡旋所についた。
「年齢は若い人で容姿端麗ですか?」
「はい」
「仕事は・・・給料は・・・」
いろいろと聞かれたけど、「普通はどうなんでしょう」と聞いて普通にしてみた。
「それでは、近くに住む者から見てください」
まずは10人、集まったらしい。
一遍に並んで、お茶を飲んでいるミントと僕の前に立つ。
「うーん、違うな」
なんていうんだろう、花がないというのか。
とにかく地味。
ぱっとしない。
「ええっと。あくまでメイドさんですので。地味なのは・・・」
「そういうものなんですか」
「ええ。今、すぐ見せられるのは、似たようなメイド候補だけですね」
「うーん。困った」
容姿端麗をクリアするメイドさんはいないらしい。
「もしかして、メイドという仕事は容姿端麗な人はやりたがらないとか?」
「それはありますね。容姿端麗ならウエイトレスとかの方が人気あります。チップがある分だけ収入につながりますから」
ウエイトレスか。
そっちも調べてみるか。
メイドさんハーレム計画?主人公の方向性に疑問をもっている読者の方もいると思いますが・・・作者も一緒ですから安心してください・・・できないか。
楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。
ブクマと評価もよろしくです。




