第86話 初めての命令
「ミント、愛の天使に行くまでの生い立ちを話してほしい」
神山で起きたこと。
全て話した後、私はミントに質問した。
「話さないといけませんか?」
「話しなさい。これは命令です」
命令に逆らえるはずなく、ミントは生い立ちを話だした。
ミントが生まれたのは、ドラゴ大神の大神官や巫女を代々出している氏族のひとつ。
その様な氏族はふたつあって、同じくらいの力を持っている。
ミントには腹違いの5つ上の姉がいる。
姉の母親はもうひとつの氏族の出で、ミントの母親は庶民の出。
当然ながら、氏族の中での地位は姉の母親の方が上だ。
ミントの存在が問題になってのが、3歳の時。
しゃべりだすのが遅かったミントが最初に話したのが、龍神様のお告げだったのだ。
すでにその時には、次期巫女として決まっていた姉の母親はミントの存在が自分達の存在を脅かすと亡き者にする道を選ぶ。
そのためミントは爺達と一緒に逃げるように街を出て、目立たないように小さな村で生きてきた。
収入源は、後援してくれる大口の信者さん。
その後援者が破産して、一気にお金がなくなった。
結局、爺が生活費を工面するときに街金的なところからお金を借りてしまって。
「返せないから、身体で」のパターン。
これが出会う3か月前。
そこから、『愛の天使』のオーナーに話が廻り、オーナーが買い取る形で決着。
「なぜ、そんな話を受けてしまったんだ」
「受けたのは、私なの。龍神さんの導きによって」
天使になる直接のきっかけはお金に困ったから。
でも、龍神さんの言葉もあった。
「あなたは天使になれ」と。
「その直後に『愛の天使』の話が来て、私はそれが龍神さんの導きだと信じました」
「おいおい、龍神さんが言ったは、それじゃないだろ」
「いえ、3か月前の私は信じたのです。この話が龍神さんのメッセージの意味だろうって」
ほかにも、分からないことがあった。
「龍神さんとドラゴ大神の関係とは?」
龍神さんは、私が昔からそう呼んでいるだけ。
一般的には、ドラゴ大神って呼ばれている。
「青龍さんと龍神さんの関係とは?」
龍神さんは、多くの龍を束ねる役目の神様。
だから、神獣として青龍をはじめ、いろいろな龍やドラゴンを使う。
「でも巫女は生娘じゃないと駄目なんだろ。天使なんかやっていたら、巫女でいられなくなるんじゃない?」
私は『愛の天使』に行くとき、巫女であることを捨てました。
そして、これからは天使としての生き方を選んだんです。
「それで、どうするんだ、これからは?」
天使か巫女か。
どちらを選ぶのか?
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それというのも、この小説の主人公にもやっとしている読者が多いってことですね。
新作の主人公は、すぱっとした性格になっています。
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よかった読んでくださいね。
『最強賢者のおっさんが過去戻り。二千年分の魔法知識で好き勝手はじめました』
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