第73話 天使と聖女とおっさんと男の子
「この白い鎧をできるだけ必要としている子供に届けましょう」
「はい」
なんだか最近、ミントが聖女さんと仲良くしている。
「白い鎧を子供達に」がスローガンらしい。
その第一期として、100の白い鎧を作らないといなくなったみたい。
そのくらいなら、1日かからずにできるからいいんだけど。
「どうかお願いします」
「駄目ですか」
聖女と天使のタプルのお願いパワーはすごい。
面倒くさいなと思う暇もないくらいすぐに「わかりました」と答えてしまった。
ただ、この調子で白い鎧を造り続けるはどうかと思う。
ということで、今回、弟子をつくることにした。
弟子はかわいい女の子がいいな、なんて妄想していたんだけど現実はおっさんになった。
「どうか、土魔法を教えてください」
「でも、あなた。ドラゴ大神の教えの人ですよね」
「それはそれ。土魔法は土魔法」
どうも、青龍像の一件以来、土魔法の魅力にハマってしまったらしい。
あの後、さすがに大神官さんには、実際の所を全部話しておいたから。
おっさんだけに土魔法を教えるのも、なんか美しくないから、男の子もひとり用意した。
ミントがポーションで助けた団地の男の子。
「どうか、土魔法を教えてください」
おっさんと同じ言葉で入門を願ったから、こっちも認めただけ。
女の子じゃないのは、ちょっと不満だけど、まぁ、子供だから良しとしよう。
今、私は、おっさんと男の子のふたりに土魔法を教えている。
そのための教材として、白い鎧づくりで教えている。
「まずはこの白い石を粉にするんだ」
「どうやって、ですか?」
「イメージするんだ、さらさらとした粉を」
こんな感じで基礎から教えている。
ただし、二人ともちゃんと土魔法の潜在能力があるのは、確認済み。
おっさんには、ドラゴ大神の魔力が入っているみたいだし。
そのうち、白い鎧はこのふたりで作れるようになるといいな。
私はちょっと仕上げをするくらいにならないかな。
今は白い石を粉末にするので、四苦八苦しているけどね。
こうして、私の土魔法使い養成講座は始まったんだ。




