第54話 青い守り神が欲しい
「この池を守る像をつくろう」
私は青く輝く池をみていて、思いついてしまった。
「そんなこと、しなくていいんじゃない?」
うーん、この女はロマンがないな。
こんな美しい池なんだから、守り神がいても不思議はない。
いや、いない方が不自然だろう。
「この池に守り神がいるとしたら、どんな神様だろう」
頭の中でイメージを膨らませていく。
青く輝く池だから、当然、色は青。
「青龍がいいか」
「青龍って、ブルードラゴンのこと?」
うーん、ドラゴンと龍は形が違うんだよね。
西方のドラゴンに対して、東方の龍。
別の言葉だとオリエンタルドラゴン。
その青龍をイメージして、池のど真ん中に青龍像を置くことにしよう。
まずは、像をまとめるパワーを用意する。
ただの像なら形だけでいい。
でも池を守る青龍なら、多少のギミックくらい入れてみたい。
まずは、ブルークリスタルをアイテムボックスから出す。
前に大量にクリスタルを採取したとき、ごく少数だけブルークリスタルがあった。
ブルークリスタルは、ちょっと珍しいタイプ。
今、アイテムボックスの中にも、たった3つしか入っていない。
ブルークリスタルを池の真ん中に投げ込む。
ぽちゃん。
池底に沈む前に、ブルークリスタルを池の中心に魔法で移動させる。
その後、ブルークリスタルに魔法をかける。
《魔素集結》
池の中にある、土属性の魔素。
青石があるから、そこから水の中にも魔素は多く溶け込んでいる。
その魔素を集めると、池の中に青い魔石ができあがった。
魔石は魔物を倒すと手に入るが、その他にも魔素が強いところなら魔法で魔素を集めることで魔石を作り出すことができる。
《青龍像創成》
頭の中にある青龍のイメージを明確にする。
ディテールも詳しく頭で組み立ててみる。
すると、自然に池底の青石が魔石を核に集まってくる。
前後に長い形、青龍の身体になっていく。
一見、蛇にも見えるが、前足と後足が現れて蛇ではなく龍だということがわかる。
しっかりと龍の形になっていく。
青石がまるで鱗のようにびっしりと龍の表面を覆っている。
まさに、これこそ青龍だ。
出来あかった青龍像は長さ3mくらいになった。
なかなか迫力がある。
近くに人を感じたら軽く身体を揺らすように魔石に指示を出しておく。
次に来る人が滝の横を登ってここをみたら。
青龍がドンといる。なんと、動いている。
きっとすごくびっくりしてしまうことだろう。
そんな想像をしながら、青龍がいる池から帰っていった。
ふう。今日の7本目。あと3本。
楽しく書いているので、楽しく読んでほしいです。
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