第49話 面倒な人間関係はスッキリさせよう
「リーダー。ちょっとお願いがふたつ、あるんですが」
「えっ、なんでしょう?」
このリーダー、本当に面倒見いい人だ。
だから、面倒くさい人間関係は、この人に押し付けるのに限る。
「最初はある冒険者のお話です」
「誰のこと?」
「女性でC級冒険者の剣士なんですが、すらっとした美人です」
「うーん。あいつのことかな」
「その方、リーダーの悪口言うんですよ」
「どんな?」
「土魔法の利用でアコギな商売しているって」
「なっ。そんなことはしていないぞ、アコギなんて」
「まあまあ、そのC級さんが言っていただけだから」
「信じてもらってうれしいよ。ただ、そのC級女剣士、たぶん知っているな」
「関わりある人なんですか?」
その女剣士、リーダーと冒険者になったのが同期だった。
お互いに15歳の時、街に出てきてG級冒険者としてスタートした。
リーダーは気まぐれでお金が無くなると依頼をこなして生活していた。
だから、ランクアップはそれほど早くなかった。
同期の女剣士は、とにかく真面目で一生懸命依頼をこなしていく。
さらに依頼で得た収入はぎりぎりの生活費を除いて、教育費に当てる。
上級の冒険者に指導をしてもらってスキルを磨いていく。
空いている時間は訓練や身体づくりに使う。
そんな彼女だから、G級からF級、E級へと1年の間で上がっていった。
その時は、同期スタートの中では一番ランクが上になっていた。
「とにかくがんばる奴でさ」
「いますね。そういうの。どこの世界でも」
転生前の似たような男を思い出して、苦笑いをした。
でも、順調にランクアップしたのはそこまで、D級に上がるのにそれから2年かかった。
その間に俺は先にD級になった。
そのあたりになると、頑張るだけではランクアップができない。
パーティーの組み方、依頼の選択。剣術の覚え方。
ほとんど我流なれど、リーダーはそのあたりのセンスがあった。
ただ、ガムシャラに頑張るだけの彼女には勝てなくなっていった。
その後リーダーは無事C級にランクアップするが、彼女はD級で停滞して8年掛かってC級に上がった。
それが2年前。
そのときには、リーダーはもうB級になっていて、B級冒険者で作るパーティーのリーダーになっていた。
「だから、彼女はどうも俺のこと、気になって仕方ないらしいんだ」
「それは、面倒くさい女ですね」
リーダーの方から釘をさすということで、面倒くさい女の問題は解決した。
もうひとつ、面倒くさい問題がある。
ミモザのこと。
「リーダーは探偵みたいなことをしている友人いませんか?」
この問題もリーダーに丸投げしてしまおう。
お金が掛かるなら、出しますので、ってことで。
こういうことは素人が手を出すより、プロに任せるべき。
言い方を変えると面倒くさい人間関係は金を払ってでも誰かに押し付けること。
それを実践することに決めていたんだ。
今日はいつもよりハイペースでアップしますね。全部で10話いきます。
というのも、書いている僕と読者が読んでいるものが離れすぎちゃって。
すこし近づけようと思って、第二章の最終話57話まで、あげちゃいます。
楽しく書いていると、どんどん書けちゃうんです。
どんどん楽しく読んでもらえると嬉しいです。
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