第44話 高級団地が完成した
ランキング4位に下がってしまいました。ポイントはあがっているけどライバルがすごくて。
でも、アクセスがずいぶんと増えていてうれしいです。今日だけで40万PVペースです。
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「はい、こちらはスラム住人のための団地ですよ」
5階建て15mの高さの団地が完成した。
マンションと言うより団地。
シンブルなコンクリート製の集団住宅。
「どこに入居するかは、これで決めますよ」
やっぱり、こういうのは、ガラガラポンだ。
昔から福引で使われている球が出るあれ。
1階毎に4軒。5階で全部で20軒。
だから11から54まで数字を振った球を入れてある。
「我もやりたいぞ」
「お前は入居者じゃないだろ」
「いいじゃないか」
「じゃあ、デモンストレーションだな」
このハンドルを回すとひとつ球が出ます。
ガラガラ、ポン!
「おおっ、出た。あたりか?」
「32。三階の二号室です」
「それはあたりか」
「当たりもハズレもないの」
そんなやりとりをしていたら、住民の家族代表の20人が話し出す。
「やっぱり、当たりは5階だよな」
「ああ。あそこからだと、街の外まで良く見えるからな」
街の外壁はこのあたりだと6m程度。
3階以上だと見える。特に5階だと見晴らしがいい。
「それでは、年齢が若い順にガラガラしてください」
「我が一番だったのか?」
「あ、32番の球返して」
「返さないと駄目か」
「ダメです」
20人が一列にならんでいる。
多少どっちが前かもめているところもあったが、そのうちに収まる。
「それじゃお願いします」
「わーい。僕が一番っ」
代表に子供送り込んだ家族がいる。
きっとくじ運いいんだろうなぁ。
ガラガラ、ぽん。
「でました52番。5階です」
「やったー。あたり」
ミモザが鐘を鳴らす。
どうやら5階が当たりに決まったらしい。
「いいなぁ、俺だって」
もう少し大きい少年がチャレンジ。
ガラガラ、ぽん。
「残念11番。1階です」
「くーっ。1階か。おい、お前、そっちと替えろ」
「やだよ。替えるもんか」
「いいから、替えろ」
「お前ら、ケンカするな」
狼娘につまみあげられて、ふたりはどかされる。
自分より小さな娘につまみあげられて驚きで固まっている。
「さぁ、次いきましょう」
それぞれ、決まって自分の家族の新居に入っていった。




