第40話 門番を突破できるのか?
街に着いた。
依頼を達成しての帰還だから喜ばしいことだ。
B級パーティのメンバーは嬉しそうにしている。
だけど、私は喜びきれないでいる。
それは、この娘のせいだ。
「街には街の掟があってな。魔物は入れないんだぞ」
「我はおぬしの嫁だ。魔物じゃないぞ」
しらんがな。
勝手に押しかけてきても、認めていないものは嫁ではありません。
ちょうどいいから、門番に引き離してもらおう。
「お疲れ様。遠征は成功したんですね」
「ええ。4名で魔狼18頭。がんばりました」
「すごいじゃないですか。A級レベルの結果ですね」
「それじゃ入るぞ」
「どうぞどうぞ」
彼らは有名人だから顔パスだ。
「あなたは一緒に行った魔法使いのご夫婦ですね」
「はい、そうです」
「ではお通りください・・・えっ、子供も一緒でしたか?」
「こいつは魔物です。通してはいけません」
「またぁ。養子でももらってきたんですか?」
「こいつは魔物です。いたっ」
「我は養子ではなくこやつの嫁だ」
「えっ、二人目の嫁ですか。いいですね。ちょっと幼い気がしますが」
「こいつは嫁ではありません。魔物です」
「そうですよね。こんな小さくても、女は魔物ですよね」
なぜか狼娘も、街に入れてしまった。
門番、ちゃんと仕事しろよ。
さて、どうしたものか。
リーダー達はさっさと帰ってしまうし。
仕方ないな。
私達の家に帰ろう。
「ミモザ。うちに帰るぞ」
「はい」
「わかった。案内せい」
どうしてもついてくるつもりだな。
まぁ、家は広いから、こいつが巨大魔狼に戻っても大丈夫だ。
橋を渡ったら、スラム街の人たちが待っていてくれる。
帰還したことの連絡が行ったみたいだ。
「お疲れ様」
「お疲れ様でした」
「よかった、よかった」
心配してくれていたみたいで、帰還を喜んでくれた。
だけど、誰ひとりとして、狼娘には触れない。
不自然だろ、こいつ。
「まぁ、皆の衆。お疲れだろうから、これ以上は迷惑だ」
みんな、ぞろぞろと体育館に帰っていく。
はやく、団地作ってあげないと。
「ただいま、ミモザ、部屋に行こう」
「はい」
やっとふたりきりになれた。
今晩はかわいがってあげるよ。
小声で言うと「きゃっ」と顔を隠す。
いいなぁ、この反応。
で。邪魔なのはこいつ。
「ちょっとこっちを見てほしい」
「なんだ?」
まだ何も作っていないただっ広いスペース。
「今日はここで寝てくださいな」
「いやだ。一緒に寝る」
「甘いな」
足蹴にして、だだっ広いスペースに送り込む。
同時に僕らのスペースをシリコーンとセラミックで装甲する。
これで魔狼に戻っても入れないだろ。
小さな音がするから、壁を叩いているのだろう。
防音効果もばっちりだ。
ふたりきりの愛の巣ができた。
明日の朝まで・・・おもいっきり、ふたりで楽しもう。
日間ランキング3位になりました。みなさんのおかげです。
読んでもらえている実感から、書くのがどんどんと楽しくなっています。
今は67話まで書いているので、当分ハイペース更新は続きます。
やっぱりブクマや評価の力は偉大です。よかったらブクマと評価よろしくです。




