第39話 帰還する馬車の中でのひととき
「うーん。むにゅむにゅ」
馬車は街に向かって走っている。
予定をちょっと遅れているので、少々急ぎぎみに。
ガタン。
街道は基本的に均された道だ。
ただ、時たま大きな石が落ちている。
それを踏むと馬車は大きく揺れる。
スピードを出しているときは、特にだ。
「いたた。ひどい揺れだ」
せっかく寝ていたのに起こされてしまった。
昨日は遅くまで飲んで食べてしていたので、思い切り寝不足だ。
「まぁ、ミモザと一緒だから。。。」
隣に寝ているミモザの柔らかい身体に触れる。
が、固い。
ふっくらとふくらんでいる胸がペタンコだ。
「なんだ、おまえ!」
狼娘がミモザと私の間に割り込んでいる。
寝ている狼娘を蹴り飛ばし、ミモザと密着する。
「うーん。むむむ」
まだ夢うつつなミモザ。
気持ちがいいから、あちこち触る。
「あーん。気持ちいいわ」
ミモザがしがみついてくる。
半分起きたかな。
「我も・・・」
狼娘も起きてしがみついてくる。
もちろん、蹴飛ばす。
「いたっ。ひどい。子供になにするのよ」
「子供じゃないだろ。本当は5mもあるくせして」
「それは言っちゃ嫌」
まったく。こいつ、邪魔ばっかりして。
一緒に乗っているリーダーをはじめB級メンバーたちは知らんぷり。
本気で怒らすと勝ち目がない巨大魔狼だと知っているから、関わりたくないのだろう。
「だいたい、お前、森の主だろ。森に帰れよ」
「いやよ。森の主の前に、あなたの嫁になったんだから」
「なってない、なってない」
しかし、こいつ。
本気で付いてくるつもりか?
だいたい、街に入れるのか?
魔物は当然、入れてもらえないはずだろう。
それで暴れるうなら、また落とし穴檻にいれないとな。
そんなことを考えていたけど、ミモザと触れ合っている気持ち良さから眠気に勝てなくなる。
ミモザは本当に癒し系だな。
一緒にいると癒される。
そんな相手がずっと欲しかったんだ。
エッチするのも気持ちいいけど、こんななんでもない時間が宝物になるんだ。
狼娘を蹴飛ばしながら、幸せをかみしめていた。




