第38話 森の掟と街の掟
今は村に帰って、宴会の最中。
蓄えをすべて放出して、大宴会が催されている。
魔狼の恐怖から解放された喜びを表現している。
「あなたのおかげで助かりました」
「いえいえ。ちょっと怖かったけど、大丈夫でした」
「素晴らしい魔法です」
「我もそう思うぞ」
なぜか、宴会に参加している狼娘。
やたらとガツガツと食べている。
「もう村を魔狼が襲うことはないんだろうな」
「ない。我を失った魔狼は森から外には出ることはないな」
「要はお前が村を襲っていたのか?」
「そうではない。森の獲物が減って、単に腹が減ったから外で狩りをしていただけだ」
倒された魔狼たちは、狼娘の手下だったらしい。
そいつら倒されたことを恨んでいないのか聞いてみたら。
「弱肉強食が森の掟。負けたのが悪い」
気にしていない。
それよりも。
「おまえは強いから、我を嫁にしてもいいぞ」
「遠慮します」
こんな幼女なのに、気が強い娘はごめんだ。
「遠慮など不要だ。強い男は女を嫁にするのが森の掟だ」
「えっと、私は街の住人なので、別の掟がありまして」
「どんな掟?」
「私はこの人とラブラブなんだよ」
隣にいるミモザを引き寄せる。
「なんだ、この女は。弱すぎるぞ」
「街は弱肉強食じゃないんだよ」
「こいつ。いつも負けているオーラがあるぞ」
「女は弱い方がかわいいのさ」
ミモザの頭を「いい子いい子」と言ってなでる。
ミモザは狼娘との会話を複雑そうな顔で聞いている。
「そのいい子いい子は、我にもしてもいいぞ」
「やらねーよ」
森の掟と街の掟がぶつかり合うなかで宴はますます盛り上がっていった。
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