第286話 隣街のバルはどんなところか
馬車客列車は夕方には隣街に着いた。
街長さん達はこっちの街の役人たちと会食があるというので、ミントと白狼娘と私の3人で街を散策することにした。
「さて。どこから行きますか?」
「我は飯が食いたいぞ」
「私も」
「では、食事にしましょうか」
街歩きの楽しさのひとつは、知らないお店を見つける楽しさがある。
この街は美食の街としても有名で、バルがあちこちにある。
「ここはどうかしら?」
「こっちも美味そうだぞ」
「うーん。迷いますね」
今回のこの街に滞在するのは、今日と明日。
明後日の朝には、また馬車客列車に乗って戻る予定だ。
だから夕食は2回しかない。
しっかりとお店を選ばないと。
3人でキョロキョロとお店を探して歩いていると。
「よぅ、おねぇちゃん達、俺たちと一緒に飲もうぜ」
おや。
久しぶりに絡まれたみたい。
ガタイがいいおっさんふたり。
もっとも、冒険者のような鍛えた身体ではなく、でかいだけだろう。
最近は、私達はいつもの街で有名になってしまって、絡む人はいなくなった。
しかし、この街ではほとんど誰も知らないだろう。
「このふたりはですね。私の連れなのでナンパはご遠慮ください」
「あー、なんだ? こんな美少女ふたりを連れられるほど、お前に魅力はないんだけどぉ」
あんたらみたいな奴らに評価されたいとは思わない。
しかし、他の街で騒ぎを起こすのはちょっとまずいかな。
「魅力がどうのとか。そういうのは関係ないですね。ここはどっちが強いかで決めませんか」
「あー。ずいぶんと自信があるみたいだな。だけど、俺は只者じゃないんだよ」
「そうなんですか? 只者というよりバカ者って感じですね」
「な、ん、だ、と? 人が大人しく話してやっているのに調子づきやがって」
やっぱり、そうなりますよね。
まぁ、負けることもないから、素手で行きましょう。
「つべこべ言わずにかかってきなさい。ふたり同時でどうですか?」
「なめやがって! いくぞっ」
ふたりが同時に殴りかかってくる。
その時には、すでに魔力を体中に巡らせておいた。
この状態になると、私の五感が鋭くなり、思考スピードも高速化する。
もちろん、身体強化も起きている。
真正面から殴りかかってきた男はしゃがむことで拳を避けた。
同時に、腹に軽く蹴りを入れて、男の身体を浮き上がるようにした。
右斜め前から、覆いかぶさるようにしてきたひとりの男は、首を掴み軽く投げた。
まぁ、地面に投げ出されたふたりは、すぐに立ち上がってまた向かってくるだろうから、先手を打つか。
《土縄拘束》
簡単な土魔法で土から何本もの縄を作り、ふたりを縛りあげた。
「さて、どうしましょう? 動けなくなりましたけど」
「お、お前。何をした? た、助けてくれ」
あれ。いきなり、弱気になってしまったな。
どうしたらいいのかな、これは?
隣街でテンプレ発生中。
今、平行更新中なのが、これ。
『生産職を極めたい! ポーションスキルだけの男が生産チート暴走させて産業革命を起こすぞ!!』
https://ncode.syosetu.com/n4312fk/
よかったら、読んで欲しいな。




