第281話 自分の飯は自分で作る!
「子供たち、すごいの。たくさん食べるのよ」
ミントが嬉しそうに報告してくれる。
だけど、どうなんだろう。
ミントやうちのメイド達が世話を焼くというのは。
「自分たちの飯ぐらい自分達で作らせたら?」
「えっ、まだ無理よ」
そうかな。
あのくらいの子供ならキャンプで飯くらい作ってたぞ。
あ、それは転生前の話か。
「そうだ。庭でバーベキューをするか」
「バーベキューっていうと、お肉を焼いて、とか」
そうか。
ミントには串焼きを食べたとき、バーベキューの話をしたことがあるけど、
実際に食べさせたことなかったっけ。
「よし、子供たちを使ってバーベキュー大会だ」
「えっ? 何、それ。楽しそう」
ミントがのってきたな。
あとは、白狼娘だな。
「いいぞ。肉100人前ぐらい用意するんだな」
肉は買うより、白狼娘に頼むほうが安上がり。
なにより、ワイルドで楽しいしな。
ざっくり1人前300gとすると、30kgの肉か。
獲物にすると100kgサイズのでオッケーか。
「獲ってきたぞ」
土魔法を使って、庭でバーベキューの準備をしていたら、
もう白狼娘が狩りを終えて帰ってきた。
「おい、こっちだ」
何やらでかい荷車がうちの前に止まった。
載っているのは、フォレストバイソンとワイルドボアと駄鳥。
本来の姿の白狼娘なら、このくらいの獲物は軽々もってこれる。
だが、街に入るときは、周りの人たちが驚くから門番の人に手配してもらって、
荷車で持ってくるように、させている。
フォレストバイソンは、大きな3本のツノを持つ水牛。
ワイルドボアは、狩りでおなじみの猪。
駄鳥は、飛べなくて脚が発達した鳥。
どれも森に生息する野獣だ。
肉の味を表現すると、牛肉、豚肉、鶏肉だな。
しかし、どれも大きいな。
重さは500kgを超えていそう。
一番大きいフォレストパイソンは1tを軽く超えるな。
それを30分もせずに仕留めてくるとは。
「ずいぶんと早いな」
「我にしたら小物ばかりだからな。簡単だ」
そんな話をしていたら、孤児たちが庭に出てきた。
「うわっ、すげー。何これ」
「肉だ。それ食べていいの?」
「うまそー」
この世界の子供たちは、野獣を見ると肉に見えるらしいな。
「よし、これからバーべーキューをするぞ」
「バーベキューってなんだ?」
「外で肉を焼いて食べることだ」
「「「うおーーーー」」」
男の子たちがすごいよろこんでいる。
女の子も騒ぎはしないけど、眼をランランとさせている。
やっぱり育ちざかりには肉だな。
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