第295話 馬列車テールマークの選考会
「それでは、この作品に決まりね」
「我もそれがいいと思うぞ」
「同感です」
馬列車のテールマーク選考会は、発表から三日後に行われた。
参加したのは、12人の画家。
いろんなタイプの馬の絵が提出された。
75センチの円の中に白馬の絵を描く。
それだけのルールだから、いろんな絵が出てきた。
多くは一頭だけったけど三頭のもあったり、馬の顔のアップだったり。
前から見た姿だったり。
さまざまな12枚の馬の絵。
その中でひとつの作品だけが、3人の審査員の票が入った。
意見が割れた場合は、決戦投票とか考えていたけど、意見が一致してしまったので不要になった。
「結局、最初の赤毛画家の作品になりましたね」
「あの子は素直ないい絵を描くのよ」
「我はあいつの絵が好きだ」
確かに上手いのは他の画家の作品の方が上かもしれない。
だけど、なんか味がある。
そう感じるものがあった。
私や白狼娘だけでなく、男爵夫人も同意見なのはびっくりしたけど。
「えっ、私のがですか?」
赤毛画家に選考会で選ばれたと連絡を入れると男爵夫人サロンに飛んできた。
「審査員三人とも、あなたの絵がいいと票を入れたのよ」
「ありがとうございます」
それでは、正式のテールマークプレートを作るかな。
《円盤製作:転写》
「できました」
「いきなりできるのね。土魔法は便利ね」
「ですね」
斜め前から見た疾走する白馬で背景は黒くなっている。
自分の絵がテールマークプレートになったのを見て、赤毛画家は感動している。
ついでに、10編成分作ってみよう。
ちゃんと、材料の石は用意してあるんだ。
《円盤製作:転写:量産8枚》
に
連続で作ったら、3分10枚もで出来た。
「ほら、こんなになりました」
「我も一枚欲しいぞ」
あ、それもいいかも。
だけど、75センチは大きすぎるかな。
《小型円盤製作:縮小転写:量産10枚》
30センチタイプの小型プレートが10枚。
「それぞれ、1枚ずつどうぞ」
白狼娘と男爵夫人、赤毛画家に一枚づつ手渡した。
「ありがとう。このサロンに飾るわね」
「それだったら、原画も飾ってくださいね」
「それならうちが預かるわね」
「我もそれがいいと思うぞ」
私以外の3人は、原画とテールマークプレートをどこに飾るか検討しはじめた。
楽しそうだな。
ただ、私は芸術的センスはないので、そろそろお暇しよう。
テールマークプレートを持って、馬車道商会へ。
若大将をはじめとする馬列車の運行関係者にプレゼントするのだ。
「いいねぇ、これ」
「最高っす」
馬車道商会の人達にも好評だ。
よかった。
いきなり決定!
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