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第262話 馬車道と貨車を試作しよう

「これは何じゃ」

「貨車ですよ」


白狼娘とふたりで食料輸送のための馬車道と貨車の実験に来ている。

私は馬に乗れないから、貨車を引く馬は白狼娘に頼んだ。


「これをこのレールに乗せてな」


街道を利用してレールを二本引いている。


街道としての機能を無くす訳にはいかないから、街道に10センチほどの窪みを造り、そこにセラミック製のレールを敷いた。

窪みだと雨が降ると水が溜まってしまうから、街道の横に排水する仕組みも用意した。


レールの高さを街道とあわせているから、馬や人がレールの上を歩いても大丈夫なつくりだ。

路面電車のレールと一緒だね。


「この貨車2両をレールにのせるんだ」


《貨車移動》


貨車はセラミックと石材で出来ているので、土魔法で移動できる。


貨車は台車部分と、その上のボックス部分に分けて作った。


台車部分は精密度が必要だから、私でないと作れない。

その上の部分は木でも作れるから、大工さんでもつくれるはずだ。

量産するときは、馬車大工に頼めばいいだろう。


台車は車輪と車軸が強度と耐久性が必要なのでカーボン・セラミック製。

車輪は摩擦を減らすために、レールに一部が当たるように作った。

電車の車輪と同じ構造だね。


軸受けには、セラミック製のベアリングを使っている。

これでも摩擦は低減するはずだ。


軸受けと台車の間には、-カーボンファイバー製の板バネをかませてあるから、振動を減らせるはずだ。


連結装置も作ってあるから、簡単に2両の貨車は連結できる。


貨車には、大きな石を乗せて重量なら満載状態にしてみた。

積載重量は2tくらいになる。


「よし、引いてください」

「おう、まかせな」


白狼娘が乗った馬が貨車三両を引いている。

重量は重いから、スタートはのんびりだけどだんだんとスピードがあがっていく。


「これはすごいな。普通の馬なのに軽く引いているぞ」


3両分なら、余裕みたいだ。

もっと多くても大丈夫なのかな。

よし、試してみよう。


貨車は増やすのは大変なので、積載重量を増やすことにした。

大石を積みまくってだいたい4tくらいだ。

さすがに重すぎるみたいで、台車部分がぎしぎし言っている。


「今度は2倍の重さにしてみたぞ。引けるか?」

「わかった。走れっ」


馬の首をぽんぽんと叩く。

白狼娘は鞍も手綱もなく馬に乗っている。

馬は白狼娘の気持ちを察してちゃんと動く。


「重いな。でも、大丈夫な感じがするぞ」


一頭の馬で4両分の重量が引けることは確認した。

一頭の場合は5両までは引けそうだ。


「これならいけそうだな」

「すごいな、これ」


白狼娘にしては、珍しくびっくりしている。

いつもは、土魔法を使っても平然としているのに。


「そうかな」

「普通の馬が我より荷物を運んでいるんだからな」


たしかに。

白狼娘が魔狼姿になっても、これだけ運ぶのは大変なのだろう。

白狼娘だけでなく、街の人もびっくりするんじゃないかな。


「あとは、レールを敷くのが大変かな」

「それならば、我も付き合うぞ」


手伝うことはできないが、一緒にいて周りで狩をするという。


そうだな。

せっかくだから、早めにレールを敷いて、フランの街までの馬車道を開通してしまおう。


馬で引くローテク、セラミック道。

流通革命を起せるのかっ。

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