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第261話 街長さんの新しい依頼

「街長さん、お久しぶりです」

「おっ、いたな。実は頼みがあってな」


街壁が出来てからは、あまり関わることがなかった街長さん。

わざわざ私の家に来るとは、急ぎの用事かな。


「どんなことですか? あんまり難しいことじゃないといいんですが」

「そんなに警戒しないでよ。街の人たちのため、なんだから」


街長さんが街の人のために働いているのは知っている。

だけど、私にとっては無理難題を持ってくる人でもある。


「で、なんでしょう」

「今度は農作物が取れすぎてしまってな」


食料が足りないって言われて、農村で農地開拓や土魔法農法をしてきた。

それがよかったみたいで、食糧不足は聞かなくなった。

今度は余ってしまったらしい。


「それはいいことじゃないですか」

「そうなんだが。しかし、村の人たちと街の人たち、全部足しても食べきれないくらいになってな」

「それなら、別の街に売ったらいいんじゃないですか?」

「それが運びきれないくらいの大量なんだ」


話を聞いたら、農作物の生産量が去年の二倍を越えているらしい。

それもまだ増えていて、馬車を利用しても運びきれないほどなんだそうだ。


「どうしたらいいでしょう?」

「それが思いつかなくて、相談にきたんだ」


ノープランかよ。

要は街と街の間の運送量を増やせばいいってことだな。


「近くの街で農作物を必要としているのはどこでしょう」

「そりゃ、東にあるフランの街だな。人は多いけど、周辺に農村が少ないし」


だいたい歩いて3日くらいで着く街らしい。

街道が通っていて、そこから更に先には帝都がある。


「そこまで農作物が運べればいいんですね」

「土魔法でできるのか?」

「それは無理ですよ。量が多すぎです」

「そうだよな」


私が考えたのは、鉄道的なもの。

物資輸送というと、陸においては鉄道が中心になる。

自動車にとってかわられるまではそうだった。


この世界で鉄道を作ろうとすると蒸気機関がいるから無理。


だいたい鉄関係は土魔法では扱えないし。


「馬車道を造りましょう」

「馬車道? 街道とは違うのか?」


馬車道というのは、鉄道の馬車版。

街道にレールを引いて、その上を貨物車両を走らせる。


ただ、動力源は馬だけど。


馬に引かせる貨車で、それも一両ではなく、何両もつなげて列車にする。


「しかし、馬にそんなに重い貨車を引かせることはできるのか?」

「大丈夫です。馬車道ですと、重いものもに一頭の馬で引けるんです」


要は摩擦の問題だ。

セラミックのレールの上をカーボン・セラミックの車輪で走る。

でこぼこの街道と木の車輪で走るより何倍も摩擦が少なくできる。


「ただ。街道に馬車道を設置するので、許可がいりますね」

「大丈夫だ。フランの街も伯爵様の領内だ。伯爵様には街道を使うことは伝えてある」


なかなか用意いいですね。

それなら、やってみましょう。


鉄道ができるぞー。

といっても、セラミック道だけどね。

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