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第253話 村に入るのが難しくなっていた


「この先がたぶん一番土魔法農法が進んでいる村ですよ」

「おおーっ。なんと! 一番Gブランドが多い村じゃないですかっ」


長身商人がテンションあがっている。

食材売買を専門とする商人だけあって、食材の産地にも詳しいらしい。


「やっぱり、そうなんですね。この村は知り合いがたくさんいるから、仕入れの話もできると思いますよ」

「すごい! Gブランドの村から直接取引ができるんだ」


長身商人が盛り上がっているのを、小柄シェフがたしなめる。


「あんまり、喜んでいると村の人とうまく交渉できなかったりするから、慎重に願いますよ」

「もちろんですよ」


村の人たちは気のいい人が多いから、大丈夫だろう。


街道から外れ馬車は村に向かう道を進んでいく。

できれば、今日、食材を買い取りたいという長身商人の希望を入れて荷馬車で来ているんだ。

長身商人は御者に指示を出して速度を落とさせた。

村に向かう道は街道と違って石が多く、ガタツキが多いのだ。


「なんだ、あれは?」


道の先に建物が見える。

出来立ての木造の建物。


「もうすぐ村のはずなんですが」

「村の施設かな?」


徐行して建物に近づいていくと、剣を腰に差した男が出てくる。


「止まれ! なんだお前達は?」

「村の作物を分けてもらおうと思いまして」

「許可証はあるのか?」

「えっ、許可証がいるんですか」

「この村はな、Gブランドに指定されている村なんだ。誰でも作物が買えると思うなよ」


あれ。

いつのまに、そんな話になったんだろう。

二ヶ月前に村の様子見で来たときは、そんなのなかったけど。


「すいません。許可証がいるなんて知りませんでした。そんな多くは買いませんので、通してくださいませんか?」

「許可証のない奴は通せないな、帰れ!」

「なんとかなりませんか、土魔法使いさん?」


長身商人に困って私に助力を求めてきた。

しかし、村のルールが変わったなら、私がそれわ破らせるのもどうかな。


「あれっ? 師匠じゃないですか!」


いきなり、後ろから声を掛けられてびっくりした。

魔法使いの杖を持った少女だ。


彼女は村で最初の土魔法が使えるようになった村娘。

一度、街に出て働いていたけど、今は土魔法使いになって村のためにがんばっている。


「あ、いいとこに来てくれましたね。村に入ろうとしたらこの人に許可証がないと止められまして」

「許可証? そんなのいらないわ」

「えっ、そうなの? どういうことかな」


男はバツが悪そうにしている。


「うちの商会の上司から、村関連の人以外通すな、と」

「要は村とは関係ない話なんですね」

「そうよ。うちの村は誰でも入れるわ。師匠達なら歓迎よ!」


村娘のおかげで村に入ることができた。

村に入ると、村長さんや、農業爺さん等々、村のお偉いさん達が集まってきた。


二ヶ月前より、ずっといい身なりをしている。


「土魔法使いさん。待ってたよ。すごくいい作物が採れてよ。見てほしいんじゃが」


農業爺さんが言ってくる。

村長さんもうなづいている。


「すごいですね。村の人々とこんなに仲良いんですね」

「この村は私と村人が協力して土魔法農業を開発したところだからね」


長身商人が尊敬のまなざしで見ている。

なんか、気持ちいいな。

久しぶりの二話投稿。

予報の方も投稿したので今日は三話分。


やっと調子が戻ってきた。

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