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第251話 騎士さんはなかなかすごい人だった

「それでお礼はどうしたらいいか?」


吊橋補修の件でお礼をしてくれるという。

だから、こんな提案をしてみた。


「うまい飲食店のオーナーの知り合いはいないですか?」

「そりゃ、この街の中で有名店のほとんどは知り合いだが」

「本当ですか? 紹介してください」


騎士さんの実家は男爵家らしい。

ただ、三男なので騎士爵として騎士をしている。

父親の男爵が美食家で今でもあちこちの飲食店に連れていかれるらしい。


「ぞうだな。この街で美味い店といえば……」


いくつも店の名前が出てくる。

当然行ったこともない店だが、ショッピングモールに入ってもらえたらきっと人気になるだろう。


「今夜、連れて行ってくれませんか?」

「もちろん、いいが。そうだな。軽く食事するつもりなら3軒は廻れるな」

「お願いします」


食べることなら白狼娘がいるから安心だ。

私が食べられなくなったら、白狼娘に食べてもらえばいいだろう。


「一緒に奥方もどうだ?」

「もちろんです」


これで高級店に顔つなぎが出来そうだ。


「では、そろそろ夕食の時間が始まるな。街に戻って行ってみるか」

「よろしくです」


一度、騎士さんの屋敷に寄って服を着替えることになった。

私と白狼娘の服も貸してくれるという。


「それなりの服で行ったほうが印象がいいだろうしな」

「いろいろとありがとうございます」


私は一人で借りた服に着替えていると、白狼娘はメイドに連れていかれてしまった。

女性服は一人できれるほど生易しいものではないらしい。


「どうだ?奥方の美しさに合った服だろう?」


髪に合わせた銀を基調とした華麗なドレスを着て白狼娘が現れた。


「どうだ? 我は綺麗か?」

「おおっ、すごく綺麗です。惚れ直したよ」


白狼娘は素直に喜んでいる。

しかし、ウエストがずいぶんと締め付けられていると見えて気になっているみたいだ。


「それでは美味い店に繰り出すとするか」


この日は結局、飲食店3軒、デザート専門店とバーはそれぞれ1軒。合計5軒の店に行った。

騎士さんはそれぞれの店の常連らしく、店に入るとすぐにオーナーが挨拶に来た。


新しくショッピングモールを造っていると話すと興味を持ってくれた店が3軒もあった。

新たな出店を考えていないオーナーは別の店を紹介してくれる話も出た。

騎士さんというか、お父様の男爵様の信用はすごいらしい。


「この方に掛かればどんなお店であっても、一瞬で完成することができますぞ」

「それは楽しみな。新しい店を造るときは、できあがるまでイメージ通り出来上がるか心配ですからね」


騎士さんはちょっとオーバーセールス気味だけど、うまく出店の方向に話をもっていってくれる。

心強い営業さんだ。


ずっと気になっていたショッピングモールの高級店の出店の話が現実化してきた。


ショッピングモールのスタートを前倒ししてもいいかもと思えるようになっていた。



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