第234話 ちゃんと山分けしないとね
「合計7420kgです」
計量係が事務的に報告してくる。
「そちらはどのくらいでした?」
「・・・920kg」
子爵子息は負け確定してしまった。
1頭でも子爵の4頭より重量があるんだが。
「620ポイント差か。いいだろう。金貨620枚だな。私も男だ、潔く払おう」
「ごめんなさい」
「なんだ?なんか言いたいのか?」
「あー、まだ、くるんでけど。だいたい同じサイズくらいのを30頭ほど倒したので」
子爵子息、頭が真っ白になってしまった様だ。
友達の貴族さんと同様だ。
「ひとつだけ聞くぞ。あれを倒したのは魔法ではないんだな」
「はい。拳と蹴りだけです」
「おまえ。本当はすごく強いのか?」
「あ、それ勘違いです。倒したのは全部うちの嫁です」
白狼娘はドヤ顔をしている。
ぞくぞくと集まってくる獲物を前にピースなどしている。
狩りに参加したメンバーやいろいろな手伝いをしている人達が集まって、わいわいと話している。
「あの娘が全部倒したんだってよ」
「本当かよ。あの細腕でどうやって?」
ざわざわしている間に、計量がすべて終わったらしく、結果が発表になる。
「合計44400kgです」
歓声があがる。白狼娘が両手を上げて喜んでいる。
2チームの貴族たちは合計で金貨で7000枚ちょっと負けてしまいました。
「えっと。賭け金はチームのメンバーで等分に分ける形でいいですよね」
「ちょっと待ってくださいよ。俺たちは何もしていないんだから」
「でも、チームメイトですから。な、いいよな」
「おう、我は思い切り狩りができて満足だぞ」
もらった金貨の山を2つに分けて、半分を細マッチョ君と熊男に手渡した。
「うわっ、こんな大金見たこともない」
「家が何軒、建つんだ、これ?」
勝った、勝った。金貨3500枚。
最近、ギャンブルづいているなぁ。
「あなた達は常識では測れない人達なのですね。手痛い負けですが、あなた達と知り合えたの幸運でした」
最後には子爵子息とがっちりと握手をして狩りは終わりを告げた。
賭けに勝ってもうかった。白狼娘の手柄だけどね。




