第233話 計量所で判定してもらおう
制限時間の3時間がもう少しで終わるという時刻に、私達のチームは計量所にやったきた。
ここでそれぞれのチームが狩ったボアを計量して勝ち負けを決めるのだ。
「どうだ?でかいだろう。最近では一番大きさだ」
「なかなかのサイズですね。どのくらいありますか?」
「そうだな。300kgあるかもな。他の3頭は普通サイズだがな」
子爵子息の獲物置き場には4頭のワイルドボアが並んでいる。
その中の1頭が特に大きくて普通の1.5倍くらいある。
そのボアを自慢そうに指さしている。
「なんだ。君たちのチームは結局、獲物がゼロか?」
たしかに私達の獲物置き場には何も置かれていない。
どうしたのだろう、変だな。
獲物にはちゃんと旗を立てておいたのに。
「そんなことはないんですが。今、運んでもらっているのでは?」
「おい。どうなっている?」
獲物を運ぶ要員を統括している人に質問をしている。
「それが・・・獲物のあるのが森の中でして」
「なんと、森に逃げ込まれたのか?」
「あ、逃げられた訳ではないのですが、森の中に獲物があるのは確かです」
魔物の森の中であれだけのサイズのボア。
確かに普通の人が持ってくるのは、難しいかもしれない。
「あの。手間が掛かっているみたいだから、私が手伝っていいですか?」
「なんだ。これから森に取りにいくのか?」
「いえ、魔法で持ってこようかなと。旗は立ててあって、ある場所も分かるから、魔法で運搬できるんです」
「ほう、おまえ、魔法が使えるのか」
「はい。土魔法を少々」
土魔法と聞いてなんか安心しているな。やっぱり土魔法って、大したことないと思われるものらしいな。
「魔法は禁止だということなので、使わなかったんですが。もうゲームも終わりましたし、運搬だけならいいですよね」
「ああ。魔法で持ってこれるなら、やってくれ」
了解がでたから、魔物の森から獲物を運搬してこよう。
結局、白狼娘が調子にのって全部でホーンドボアだけを30頭ほど倒してしまったからな。
普通のワイルドボアには見向きもしないで。
《土プレート生成:土プレート移動》
旗が立っているすべての獲物の下の土をプレート化して、プレートごと移動させていく。
「最初のがやってきた様ですよ」
「なんだ、あれは?」
「倒したボアを土プレートに載せて持ってきたんです」
「ん?なんだ、あれ?」
最初の5頭がきた。
たぶん、1500kgサイズのホーンドボア。
「なんだ、こいつは。でかすぎないか。ツノついているし」
「ボアですよ、ボア」
「ボアって言っても・・・」
「まぁ、とにかく。計量お願いします」
やっぱりでかいよね。




