第230話 チームメイト
ボア狩りゲームは始まった。
制限時間は3時間。
それぞれのチームが別々の方向に向かって移動していった。
「はじめまして。僕らは子爵子息の護衛を担当しています」
「あ、そうなんですね。剣士さん達かな」
「はい。普段は剣を持って護衛をしています。狩りの時は人数合わせで駆り出されますが」
熊みたいにガタイがいい男は、熊男。
細マッチョ青年は、細マッチョ君。
そう呼ばれているらしい。
ふたりとも格闘技のスキル持ちらしい。
「ああ見えても、子爵子息の格闘技はすごいんですよ」
「ただ、こういうゲームが好きなのがちょっと困った物なんですが」
このゲームに参加しているのは、ほとんど子爵子息の遊び仲間らしい。
遊び仲間も格闘技が好きな連中だ。
「たぶん、今回は他のチームはワイルドボアを3頭くらい仕留める計画でしょう」
「えっ、そんなものなんですか?」
「はい。事前に情報も集めているみたいだから3頭か4頭がトップになれる条件です」
「我なら倍はいけるぞ」
いきなり発言した白狼娘に熊男と細マッチョがびっくりしている。
たしかに、どうみても戦力外の白狼娘なのに。
「えっと。お嬢様は見学ということではないんですか?」
「何を言う。この中では我が一番強いぞ」
ふたりは完全に混乱している。
発言と見た目が全く合っていないのだから。
「あ、こう見えて独特な格闘技をマスターしているんです、彼女は」
「そんな話はいいから、さっさとボアを探しにいこうぞ」
確かにそうだ。
もうゲームは始まっているのだから。
「では作戦を決めましょう。私と彼がボアを抑え込む役をしますので仕留める役をおふたりにお願いしようかと思うのですが」
「何を言う。ワイルドボアなぞ、私ひとりで簡単に倒せるぞ」
うーん、作戦も何もないな、白狼娘には。
単に見つけて殴る、以上ってことで。
「まぁ、まずはお手並み拝見ってことではいかがですか?彼女がボアに向かっていきますから、もし危ない状況になったら支援をお願いします」
「えっと、それだと危険がやたらとあるんですが。安全を保証しきれませんよ」
「まぁ、各自、自己責任ってことでいきましょう」
ふたりが白狼娘を心配するのは分かるけど、まぁ実力を見せれば問題はないだろう。
ゲームを勝ちに行ってみようか。
白狼娘の人姿のままの狩り。うまくいくのかな。
久々に新作連載はじめました。
なかなか評判いいみたい。
外れスキル『予報』が進化したらSSS級スキル『言ったら実現』ってどういうことですか?
https://ncode.syosetu.com/n7127ex/
土魔法を使わないでレンガを積んでいる男の話です。地味な男なんだけどチートすぎるスキルをもっちゃいます。もっとも今は地味なだけだけどね。