第223話 鉄鉱石があるのか?
「なんですか?これは・・・」
「とりあえず、200m四方に100ポイント穴をあけて20mほど掘ってみたんですが」
「えええーーーっ」
どうも良く分かってくれないみたいだから、ちゃんと説明してみる。
「これが2mまで、その隣が4mって感じで20mまであります」
「20m!そんな掘ったんですか」
それだけでびっくりされてしまった。
「100か所掘ってみたんです」
「20mを100箇所ですか!」
うーん、びっくりしているだけで、調査になっているかどうかが分からない。
「どうなんでしょう?鉱脈みたいなものってありますか?」
私が見ただけでは鉱脈なのかどうかが分からない。
ここは専門家に見てもらうしかない。
「あ、取り乱してすみません。調べてみましょう」
ひとつひとつの円筒をチェックし始める。
だけど、どうも、ダメみたい。
最後までもらって結果を聞いた。
「どうでしたか?」
「残念です。鉱石はおろか、鉱山らしき兆候もありません」
「もしかして、20mというのが浅すぎました?」
「いえいえ。それより深くては、掘り出せないですよ」
「そんなこともないですが。土魔法では」
困った顔をしているから、土魔法じゃない場合の話を聞いてみる。
「どのくらいの深さまで調べたらいいんですか?」
「5mで十分です」
「あ、そうなんですか。それなら5倍くらいのスピードで調査できますよ」
「すごい!それなら、エリアを集中的にやるよりも、線状に調べましょう」
うんうん、ちゃんと指示をもらった方が確実だね。
どうしたら、一番鉱脈を見つけやすいか、それは鉱山学者の領分だからね。
「それじゃ、まずはここを5m掘ってみてください」
「はい」
10センチの円柱が伸びてきて2mになったとこで倒れる。
それが3回続いて6m分が完了。
その間、約15秒。
「早っ。ずいぶんと簡単なんですね」
「です。ガンガン、いきましょう」
鉱石が出てくるまで可能性のありそうなとこを掘りまくる。
そんな方針で1時間で200か所ペースで試し掘りをしてみた。
すると、1時間半を経過したとこで出た!
「これはいいですね。ほら」
鉱山学者の手には黒く光る箇所が載っている。
「黒鉄鉱っていいます。鉄の原料になります」
「これがそうなんですか。やっと出ましたね」