第21話 愛の天使は婚活じゃない
転生前の30代の頃。
婚活をしたことがある。
婚活パーティに出て、ことごとく失敗した経験は黒歴史だ。
その後、結婚相談所にも登録して、紹介された女性にお見合いという形で会った。
条件ではマッチングしていても、実際に会うと断られる。
女性と話をすると、「なんか違う」と思われてしまうらしい。
だけど、「愛の天使」は違う。
相手が拒否することがないのだ。
こちらが拒否することはできる。
同じお見合いでも、システムが全然違う。
「こちらが紹介する天使、ミモザさんです」
すごい美人という訳ではない。
でも、十分かわいい顔をしている。
年齢は20歳くらいだろう。
「それではこちらへ」
前回と同じワンルームマンションの様な部屋にふたりで入る。
「ミモザさん。白いワンピースお似合いですね」
「えっ、ありがとうございます」
「料理とか、できますか?」
「はい。料理は自信があります」
どうもお見合いだと思うと緊張する。
別に好印象を与えないといけない訳ではないけど、誉め言葉から入ってしまった。
フラれ続けた結果、身に着けた習性だったりする。
この女性と一緒に生活することをイメージしてみる。
朝、起きたら彼女がいる。
「おはようございます」
そんな朝・・・いい感じがする。
「決めました」
「えっ」
「ミモザさん。私と一緒に暮らしてください」
何、プロポーズみたいなことしているだ。
違うだろう。
と思いつつ、そういうのもいいか、って思う。
相手が拒否することはないと分かっているから、安心して気持ちを言葉にできる。
こんな関係を私は求めていたのかもしれない。
残念ながら、このまま連れて帰ることはできないらしい。
準備に2日かかる。
明後日、引き取るに来ることを約束して金貨200枚を渡した。
楽しく書いています。楽しく読んでもらったら、ブックマークお願いします。




