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第206話 嫁さんを披露


「本当に我を嫁としてくれるのか」

「ああ。だから、みんなに披露するよ」


この国の婚姻制度は一夫多妻制だ。

嫁はひとりと決めなければいけないという理由はない。


しかし、私はふたりの嫁を持って管理する自信はない。

だから、ひとりの嫁だけを持つだろう。

そのひとりを白狼娘に決めたのだ。


「ミントはいいのか?」

「ミントは僕の愛の天使だ。これは嫁として、認めてもらうよ」

「それはそうだが・・・いいのか本当に」


実は迷っていた。

ミントと結婚せずに白狼娘を嫁にする。

それで本当のいいのか。


「決めたんだ。前に君がさらわれた時にね。絶対に助けるって」

「それは、うれしいが。でも」

「もう聞かないでくれ。決めたことだ」


正直なことを言うと、揺れている。

だからこそ、決めたのだ。


彼女を嫁にするって。

そして、それを周りに認めさせるって。


「着いたよ。僕らの家にね」


家の玄関に入ると、ミントをはじめメイド達が出迎えてくれる。

ミントは腕を組んでいる白狼娘に、ちょっと視線を投げる。

だけど、何も言わない。


「みんなを集めてくれないか」


家のことをしてくれているメイドと従業員たち。

そして、ミント。


今、この家にいる人達、そしてこれからもいる人達の前で僕は言った。


「彼女を私の嫁にする。これからはそのつもりでいてくれ」


ミントのことをじっと見ている。

どう反応するのだろう。


最初、ちょっとびっくりした顔をしたけど、すぐに普段の笑顔に戻る。

そして、言う。


「おめでとうございます」

「あ、ありがとう」


白狼娘がぎこちなく言う。


「私はご主人様の愛の天使です。それだけは奥様にも認めていただきます」

「えっと、それは前から知っているぞ。認めるも何もない」


ミントは無言でその言葉を受ける。

そして、白狼娘に笑いかける。


「よろしくお願いしますね」

「こ、こちらこそ」


嫁が白狼娘で。

愛の天使がミントで。


ふたりの主人は私。


この関係はスムーズにまとまった。

表面上は・・・。


ミントの居場所はどうなるの・・・謎。



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