第204話 カフェでティータイムデート
一通り、白狼娘のファッションを揃えた後、カフェでお茶を飲もうと寄った。
「しかし、お前。すごく目立っているな」
「皆が我を見ているぞ。なぜか?」
「お前が美しすぎるってことだ」
「そなたもそう思うか?」
じぃーと、目を覗き込んで質問された。
澄み切った青空の様な瞳に直視されると、嘘も言い逃れもできない。
「もちろん、そう思う。お前は誰よりも美しい」
「そなたにそう思われるのは、うれしいぞ。他の奴らはどうでもいいが」
たしかに白狼娘は他の奴の視線など全く気にしていない。
しかし、私の方が気になってしかたない。
なんだあいつ、すげーいい女連れてやがるな。
そんなひそひそ話をされている気がして落ち着かない。
「どうだ?我を嫁にする気になったか?」
「それは・・・まだ・・・」
「どうしてだ?」
そんな難しいことを簡単に聞くなよ。
男心は複雑なんだって。
「まぁ、それはおいておいて。おいしくお茶をいただくとしうよか。ほら、いい香りだよ」
「お茶だけでは物足りないぞ。ケーキもいいか」
「ああ。好きなだけ食べな」
話がそれてほっとした。
自分の気持ちが分からなくなっているから聞かれると困る。
ちょうどやってきたケーキのワゴンを止めて、白狼娘に好きなケーキを選ばせる。
「いくつまでいいのか?」
「好きなだけいいよ」
「本当か!それなら全部だ」
7種類もあるケーキをひとつづつ、もらった。
にこにこして、本当にうれしそうな顔をしている白狼娘。
さっそく、ガツガツ食べている。
あーあ、絶世の美少女が台無しだ。
でも、元々の狼娘ぽくて安心した。
見た目がいきなり変わりすぎて、どう対応していいのかとまどってしまっていたのだ。
「どうだ。うまいか?」
「うまいぞ。そなたも食べたらいいぞ」
「どれ。ひとつ、もらおうか」
「それはダメだ。自分の分は別に頼め」
まぁ、そういうだろうと思ったけど、とりあえず聞いてみた。
このパターンだと、全部食べないと納得しないよな。
「おーい。ケーキをひとつ。きたきた。これを」
「はい。どうぞ」
フルーツケーキを選んた。
ケーキをフォークで切り分けてひと口、頬張る。
口の中に甘さが広がる。
「うまいな」
「そうであろう。うまいうまい」
ケーキを頬張りながら言う。
なんてことはないんだけど、こういうひと時って楽しく感じる。
これがリア充ってやつだろうか。
リア充・・・っていうかリア獣ってか。
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