表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
土魔法SSS級の実力。土建チートで街づくりをしたら大人気な街になりました。  作者: 天野優志
第一章 「レンガ作り」から「住宅一発造り」への軌道
2/311

第2話 土堀りは基本です

「大変そうですね。手伝いしましょう」

「おお、手伝ってくれるか。ありがたい」

「どのくらい粘土を掘るんですか?」

「ほら、あそこに粘土山があるだろう。あれと同じくらい今日中に掘らないと監督官に怒られるんだ」

「それは大変ですね、手伝いましょう」

「それなら、このスコップで粘土を掘ってくれ」

「あ、スコップいりません」

「えっ?」


粘土を掘りだしている穴に入って周りの壁の向こうの土の質をスキャンする。

うん。レンガに向く土の層がずっと続いている。

このあたりならどこを掘っても大丈夫だろう。


「この粘土山と同じくらいでいいのか。それっ」


地面をトンと叩いたら、そこから土がモリモリと上がってくる。

粘土山の隣の位置を指さして、土を移動させる。


土がまるで水の様に流れて、目的の場所に移動してもりあがりはじめる。

しばらくすると、隣の山と同じくらいの大きさになる。

それまでの時間、約1分。


「うわっ、なんだそれ?」

「土魔法ですよ。土を動かすのは一番簡単です」


腰を抜かしている作業員のおっさん。


「ほかに手伝うことないですか?」

「あー、それなら、あの粘土山と骨材の砂山の2つをレンガ工房の前に移動してくれないか」

「あ、レンガを焼いているとこですね。あそこにも土の山がありました。その隣でいいですか?」

「おうっ」


土の山をトンと叩くと水の様に流れてみるみるうに山が小さくなっていく。

一つ目がなくなると、次はさっき作った2つ目の山でも同じことをする。


「はい。できました。確認しにいきます?」

「・・・そうだな」


歩いて5分くらいの場所にあるレンガ工房にきた。

土の山が全部で3つ。


その周りにレンガ焼き職人が集まっている。


「どうしたのですか?」

「いやーびっくりした。なんか土が流れてきてよ。土の山がふたつできてしまったんだ」

「それはだな。土堀場から移動した山なんだ」


ドヤ顔で土堀りのおっさんが言う。


「ええっ、どうやったんだ、おまえ」

「それは、この土魔法使いの先生がやってくれたのだ」

「おおーーーっ」


照れるな先生だなんて。

ただのちょっと魔法ができる青年です、はい。


「あ、土魔法ならレンガ作りができるんじゃなかったっけ?」

「俺も聞いたことあるぞ」


土魔法というのは、あまり人気がないジャンルの魔法なんだ。

攻撃に使える火魔法や、回復ができる聖魔法が人気のジャンル。


「土魔法ってレンガを作るくらいしかできない奴だよね」

「そうそう。そんなの使うより窯で焼いた方が早いって」


たしかにレンガは作れる。

ただし、レベルが低い土魔法使いだと、作れる数に限界がある。

だから、魔法で作るより窯で焼いた方が早いといわれてしまうのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ