表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
198/311

第199話 嵐の後に

「やっぱり、決壊はあったんですね」

「ええ。決壊で、このあたりは、水浸しですわ」


水田と分からないくらい水がきてしまっている。まるで湖のようだ。

そのほとりに、土魔導士と水の聖女がいる。


「どうしようもありませんでした」

「ええ。だけど、このあたりだけで済んだのは不幸中の幸いでしたわ」


水田全体からすると1/4程度。

収穫も終わっているので、次の田植えまでに修復する作業が必要となる。


「水魔法でなんとかなるものなんですか?」

「ええ。排水を水魔法でやって、そのあとは農家の人達に任せます」


まぁ、川のぞいに住む者たちの宿命ということか。

それを受け入れているから、何事もなく収穫できることを喜べるのか。


「太陽女神は、神々の長だから、万能なのです」


水の聖女と一緒に歩いていると、ちょっと離れた広場に人が集まっている。

その中心にいるのが、ベージュ色のローブを来た男だ。


「あれは?」

「太陽女神教の新派でしょう」

「あれって水の聖女さんのライバルですか?」

「そうとも言えますね」


半分あきらめ顔で言う。


「あれ?あの男の横にいるのは、先日トレーニングした少女ではないですか」

「本当ですわね。何をしているのかしら」


火魔法が使えるようになった少女。

その子が白い縁どりをしている赤いロープを来てベージュローブ男の横に立っている。


「我が太陽女神は、奇跡の少女をお使いくださった。この少女は火の巫女です」


巫女?彼女は火の魔法使いですよ。


「炎を通して、太陽女神と話ができるのです」

「今度また、雨を龍が降らしきたら、太陽女神に巫女を通して龍を返す命令を出してもらいます」


ベージュローブ男は、高いテンションで話して大きな動きで、聞いている人たちを魅了している。


「あれ、まずいんじゃないですか。勝手にあんな約束してしまったら」

「あの教団は私達と全く違う教えに基づいて説教しているのよ。自然は太陽女神を使えばコントロールできるという教えよ」


なんか、ずいぶんと横暴な教えだな。

今回の件で私は自然と向き合うとき、人間側だけの考えで「なんとかする」ってことが無理だと分かった。


それなのに、あっちの教団の人はできるという。

どっちが信仰を集めることができるのか。

なんか、答えが出てしまっている気がする。


「太陽女神教団がやはり敵なのだな」


なぜか、理屈では説明できないけど、直感的にそう感じていた。


太陽女神教団が布教中です。


ブクマと評価もよろしくです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ