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第198話 龍神様とお話しましょう

「おまえか。吾輩を呼び出しおったのは?」

「はい。お聞きしたいことがありまして」

「それは、なんだ?」


話している相手は、顔がミントだけど、声が全然違う。

低くてどっしりとした声だ。


「できれば雨の降り方をもう少しだけ、弱くしてもらうことはできませんか?」

「なぜ?」

「このままだと、川が氾濫してせっかく作った水田が無茶苦茶になってしまいます」

「それがどうしたのだ?」


うーん。龍神様は、そういうこと気にしないタイプなのね。


「ここの民が苦労して切り開いた水田なのです。なんとかならないでしょうか」

「ならないな。自然には自然の摂理というものがある」

「そこを龍神様の力でなんとかすることはできないでしょうか」

「もちろん、それをするだけの力はある。しかし、それの力を使う意味がない」


住人達のため・・・うーん、龍神様を信仰している民でもないしなぁ。

全くもって説得力ないな。


「私がお願いしてもダメですか」

「そなたは、元々、この村とは関係ないであろう?」

「そうなんですがね」


うーん。龍神様と話していると、なぜ、そんなに水田を守りたいのか分からなくなってきた。


「川のほとりに住むことは、氾濫に合うことを知らないとは思えないが」

「確かにここの人はそれを受け止めています」

「なら、それでよかろう」


良くない。全然良くない。

理由は分からないけど、なんとかしたい。


「もし、なんとかしてくれたら、ここの水田でとれた米で作った塩おにぎりを奉納しますから」

「ほう。あれは、うまそうだな」


なんと、塩おにぎりを知っていた。

どこかで見ていたってことかな。


「しっかりと奉納させていただきますから、雨を少しだけ弱めてくれませんか」

「むむむ。迷うな。今、雨を降らすことは、それはそれは大切なことなのだぞ」

「重々分かっています。雨がやまなければ、米も取れなくなってしまいます」

「それだけの理由で、嵐を止めることなどはできやしない」

「あ、ちょっとだけ雨を弱めてもらうことはできませんか」

「ちょっとか。微調整くらいはしたところで全体には影響ないがな」

「それでは、微調整お願いします。塩おにぎり、大きいのを10個奉納しますので」

「うむ。分かった。本当に微調整だけだぞ」


ミントがいきなり白目になる。

しばらくすると、黒目が戻ってくる。


「どうなったの?」

「龍神様、ちょっとだけ雨弱めてくれるって」

「ええっ。龍神様を説得したの?どうやって?」

「塩おにぎり10個で手を打ってもらった」

「ええーーー」


食べ物でつる作戦が効果を発揮するなんて。

そんな顔をミントがしていた。

塩おにぎりは神すら動かします。


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