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第197話 嵐の夜の青龍さん

「龍だ。龍が空に飛んでいるぞ」


嵐が来て、すごい風と雨。

そんな状況で村人が叫んでいる。


「龍?青龍さんかな」

「嵐だから、そうかも」


青龍さんは、神獣だから龍神さんが嵐を呼んでいるなら、青龍さんも飛んできてもおかしくない。

だけど、青龍さんが来たら嵐がもっとすごいことになるんじゃないか。


「青龍さんは嵐をすごいことにしているんじゃない?」

「うん。龍神さんの使いだから、そうかも」


うーん。

いつもは味方な気がしていたけど、こうなると人間の敵ってことになるのかな。


「龍神さんにとっては、洪水してもしなくても、良いとか悪いとかないから」

「まぁ、それを判断しているのは人間だからね」


水の民達は、龍神さんを信仰している訳じゃない。

太陽女神を信仰している。


「龍神さんを信仰している村より、青龍さん暴れてしまうのかな」

「まぁ、それはないとは言わないわ」


村人に聞くと、去年の嵐よりずっと大きいと言う。

このまま、夜通し雨が降り続くと川が決壊しそうだ。


「うーん。青龍さん、早く帰って欲しいな」

「それは何とも言えないけど。話してみる?龍神さん」

「あ、それ、できるの?今」

「わからないけど、やってみることはできるわ」


ミントは龍神さんの巫女だから、龍神さんを降ろすことができる。

ミントを通して龍神さんに聞いてみたり、お願いできたりする。


「やってみてくれないか?」

「では、龍神の舞、するね」


巫女の衣装も、道具も、音楽も。

何もないけど、ミントが龍神の舞を踊り始める。


来るのか、龍神さん。

それとも、この嵐の真っただ中は無理なのかな。


龍神の舞が続いている。

ミントの表情がだんだんと無くなっている。


無我の胸中になっていく。


龍神の舞のクライマックス。

のけぞりのシーン。


自分を失って、抜け殻になる。

そこから、新たな自分が生まれ。


そこで、龍神様が降りてくるか。

降りて・・・来た!


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