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第189話 令嬢のスカウト

「これは、これは。わざわざお越しいただきありがとうございます」

「いったいなんの用なの?」


伯爵令嬢は胡散臭そうに部屋の中を見渡した。

真っ白の壁と天井。床まで真っ白だ。

白いテーブルと白い椅子。あるのは、それだけ。


この部屋は太陽女神教団の教会の一室だ。


「はい。噂を聞きまして」

「噂とは?」

「伯爵令嬢様とミントなる愛玩奴隷のことです」


ミントの名前が出ただけで、嫌な顔をする令嬢。

その顔をみて、密かに喜んでいる。


「我々、太陽女神教団は、あのミントをマークしています」

「マーク?」

「ええ。あのミントはとんでもない輩なのです」

「どういうこと?」


うん。喰いついてきた。

相当、ミントを嫌っているな、これは。


「あのミント、人に見えますが人ではありません」

「というと?」

「ずばり、言いましょう。あれは蛇の化身です」

「蛇!」


うん。いい反応だ。

令嬢は相当な蛇嫌いだな。


「魔蛇のうち、力がある奴は魔法を使って人の姿に変われます」

「蛇だったのね。あいつ」

「そうですよ。伯爵様においては、あの蛇女にいろんな援助をしていると聞いています」

「ええ。それもむかつく理由のひとつよ」


ミント像をオークションで落札したり、ステージを観に行ったり。

とにかく、ミントファンのごとき行動をしている。


「我が太陽女神教団は、人に対して邪念を持つ魔物を排除する活動をしています」

「それは、素晴らしい活動ですね」

「伯爵令嬢様には。まずミントの正体を知っていただいて気をつけて欲しいと思っています」

「正体を教えてくれて感謝している」

「そして、これはできれば、なんですが。ミントを排除する協力をいただければと思いまして」

「もちろん、協力するわ。わが父の伯爵領の街にそんな訳が分からない魔物をおいておき訳にはいかないからね」

「協力をいただけるとは、太陽女神教団として、ありがたく思います」


うん。

このバカ令嬢。

あっさりと、こちら側に付いたな。

せいぜい持っているコネを最大限活用させてもらうとしよう。


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